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フランチャイズで利用できる補助金!対象となる経費や補助金額は?

独立・起業を目指す方、新規事業展開を行う企業にとって、既存の成功したビジネスモデルとブランド力を利用できるフランチャイズは魅力的な開業手段です。

しかし、どれだけの方が「フランチャイズでも補助金を利用できる」とご存知でしょうか。

補助金は、国や自治体の政策目標と合致する事業の取り組みをサポートするための公的資金であり、原則として返還不要です。

そのため、フランチャイズビジネスを行う上で資金調達に悩んでいる方にとって心強い味方になりえます。

当記事では、フランチャイズで利用できる補助金、注意点、実際に補助金を交付された(受給した)フランチャイズビジネスの採択事例をご紹介します。

賢く補助金を利用し、フランチャイズビジネスにおける成功をつかみ取りましょう。

フランチャイズで利用できる補助金

フランチャイズビジネスで利用できる代表的な補助金として、「事業再構築補助金」「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金の特徴」「事業承継・引継ぎ補助金」があります。

これらの補助金は、事業の拡大や設備投資をサポートする目的で設けられた制度であり、採択されると実際にかかった経費の一部が支給(交付)される仕組みです。

フランチャイズの場合、店舗の内外装工事費や厨房設備費、店舗デザイン依頼費などの経費が受給の対象です。

目安として、対象となる経費の2分の1~3分の2(50%~66%)程度が受給できます。

ただし、フランチャイズの加盟金や、汎用性があり目的外使用になりえるもの(例:事務用のパソコン)など、一部補助金の対象とならない経費も存在します。

詳しい条件は、各補助金制度と事業内容によって変わってくるので、まずは募集要項を確認してください。

なお、フランチャイズでは過去の成功事例に則った構築済みのビジネスモデルで事業を展開するため、申請時に具体的な事業計画の提出が必須となる補助金と相性が良いと言えるでしょう。

補助金を申請する前に押さえておくべき注意点

補助金は原則として返済不要であることから、フランチャイズでの開業や運営に際して魅力的な資金調達方法です。

しかし、補助金は経済産業省や地方自治体が管轄する制度であり、その財源は税金である公的資金です。

補助金の受給にあたっては細かい取り決めがなされているため、各制度の意義や要項を理解した上で申請しましょう。

この章では補助金の利用を検討中の方に向けて、申請前に知っておくべきポイントをまとめました。

補助金は原則として後払い

補助金を受け取れるのは、採択されてすぐではなく、実際に事業を実施し、実績を報告してからになります。

したがって、フランチャイズビジネスを始める際の元手(最初に用意する開業資金)は、別途用意しなければなりません。

フランチャイズの開業資金を自己資金ですべてまかなうことが難しい場合、銀行で融資を受けるなどの、補助金以外の方法で資金調達を行ってください。

なお、公的資金である補助金に採択されている(受給資格がある)事業者に対して、通常よりも有利な条件(例:低金利)で融資を行っている銀行もあります。

つまり、銀行からの融資を検討している事業者は、補助金を活用することでより優位にビジネスを展開できる可能性があるので、こちらはメリットの一つとして覚えておくと良いでしょう。

受け取れる補助金は対象となる経費の一部だけ

補助金は、採択されて交付が決まった(受給資格を得た)としても、予算申請した経費が全額支給されるわけではありません。

受け取れる補助金の金額は、補助限度額の範囲内で、補助対象額に補助率をかけた金額となります。つまり、事業を実施する上で実際に支払った経費の一部です。

補助限度額は、補助金として交付される(受給できる)最大額のことです。

補助対象額は、補助金の支払いの対象となる経費を指します。

補助率は、補助金の対象経費のうち、補助金として交付される金額の割合です。

たとえば、補助限度額が100万円、補助率が2分の1の補助金があるとします。

補助対象額が100万円のとき、補助率をかけると100万円×1/2=50万円です。この場合、算出された金額が補助限度額の範囲内なので、50万円が支給されます。

ただし、補助対象額が300万円であった場合、補助率2分1をかけると150万円になりますが、実際に受給できるのは補助限度額の100万円までです。

なお、補助金は事業の実績に基づいて支給されるため、申請時の予算よりも実際に支払った経費が少なかったとしても差額を受け取ることはできません。

上記の例だと、予算100万円で50万円の補助金の交付が決まったとしても、実際の補助対象額が80万円であれば、80万円×1/2=40万円だけが支給されることになります。

補助金には対象外の経費がある

先程もご説明したように、補助金にはフランチャイズの加盟金など、受給の対象とならない経費が存在します。

対象となる経費が何かは、補助金ごとに異なるため、申請にあたっては交付要綱(募集要項)をしっかりと確認する必要があります。

自分がフランチャイズビジネスを行う上でより適切な補助金が何かなど迷ったときには、補助金申請サポートを利用するなど、専門家のサポートを受けるのがおすすめです。

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補助金の二重交付は原則として受けられない

似たような内容の補助金に採択されているか、これから受給予定である場合、新たな補助金の申請が認められないケースがあります。

ただし、国が行っている補助金に対して、各地方自治体が上乗せ的に支援を行う補助金制度も存在します。

例:札幌市事業再構築サポート補助金

国の補助金でありフランチャイズでも利用可能である「事業再構築補助金」に採択され、北海道札幌市に主たる事業所がある事業者を対象とした補助金。

フランチャイズで補助金を申請する際には、補助金の募集要項を確認するのはもちろんですが、事業所(店舗)の所在地を置く地方自治体のホームページも確認して情報収集するとよいでしょう。

補助金の受付は申請期間内でも予算枯渇で早期終了することがある

補助金には申請期間がありますが、予算の上限に到達した場合は、申請期間であっても受付を終了することがあります。

そのため、申請する補助金が決まったら、事業計画書や決算書といった必要書類を早めに用意しましょう。

補助金によって申請期間・必要書類・申請方法が異なるため、確認の時間も含めて余裕を持った申し込みがベストです。

審査がある

補助金は税金が財源となる公的資金であり、補助限度額が大きく中には1億円を超える制度もあるため、交付の決定(受給資格を得る)には審査があります。

補助金の審査では、事業者が自ら作成する事業計画書以外にも、商工会議所や銀行で発行してもらう書類も必要となります。

たとえば、事業再構築補助金の申請には認定支援機関(商工会議所・銀行・法律事務所等)の確認書が必要になり、小規模事業者持続化補助金の申請には所轄の商工会議所の事業計画支援書が必要です。

申請時に必要な書類に不備や不足があると補助金の審査が受けられないので、申し込みを決めたら早めに着手してください。

このように、補助金の審査には多岐にわたる書類の準備が必要であり、各書類を完成させるだけで手間がかかります。

煩雑な手間を省略し審査の通過率を上げるためには、専門家の支援を仰ぐことも視野に入れてください。

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フランチャイズで利用をお勧めする補助金一覧

ここでは、フランチャイズの開業や運営でお勧めの補助金について解説していきます。

事業再構築補助金

【概要】  

事業再構築補助金は、新規事業の立ち上げや新製品の開発および導入をサポートするための補助金制度です。中小企業が新たな成長を目指すための支援として、国や自治体が提供しています。

【特徴】  

- 幅広い事業領域が補助対象となる

- 第10回公募から成長枠での売上高減少要件が撤廃され、多くの中小企業が申請可能になった

- 代わりに、市場拡大要件(事務局が指定した市場規模が拡大している事業のみが対象)が設定され、特定の事業しかできない場合がある

- 要件が複雑で、専門家のアドバイスを取り入れることが推奨されている

【対象事業者】  

新型コロナウイルス感染症や物価高騰の影響を受け、事業収益が減少した中小企業者や小規模事業者。特に、飲食業、宿泊業、観光業などの影響を大きく受けた業種が対象となっています。

【対象経費】  

新規事業の開発、既存事業の改善、新たなビジネスモデルの導入などに伴う、店舗建設、厨房機器リース、ウェブシステム構築、販促、店舗研修など多岐にわたる経費が補助対象となっています。ただし、フランチャイズ加盟金は補助対象外です。

【支給金額】  

補助金の上限は1億円程度と非常に高額で、補助率は大体3分の2程度が目安です。具体的な補助額や補助率は申請内容や事業規模などの条件によって異なります。以下の表が詳細な内容になっています。

事業再構築補助金の概要

出典:事業再構築補助金の概要(中小企業等事業再構築促進事業)

小規模事業者持続化補助金

【概要】

小規模事業者持続化補助金は、経済産業省中小企業庁が提供する制度であり、新たに販路を開拓したり、生産性を向上させる取り組みを始める小規模事業者の支援を目的としています。この補助金は、特に従業員数が少ない事業者に焦点を当てており、その資金的な負担を軽減することを意図しています。

【特徴】

- 幅広い経費が補助対象となる。

- 一般的な補助上限額は50万円と、比較的低め。

- 2023年以降も継続的な公募が予定されている。

- 補助金額が低めなため、小規模なフランチャイズを始めたい場合に候補となる。

【対象事業者】

(フランチャイズの場合、多くがこのケースに該当しますが、)個人事業主や商業・サービス業で従業員数が5人以下の事業者が主な対象とされています。その他のケースでも、従業員数は20人以下の事業者とされています。

【対象経費】

新たな事業展開や販路開拓、生産性向上の取り組みに関連する経費が補助の対象となります。具体的には、Webサイトの作成、店舗改装、商談会への参加などが含まれます。

【支給金額】

一般的な申請枠では、補助上限額は50万円で補助率は3分の2。ただし、条件によっては上限額を100万円や200万円に上げることも可能です。

IT導入補助金

【概要】

IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者のデジタルトランスフォーメーションを後押しするための制度です。この補助金は、情報システムの導入や更新、IT機器の購入など、デジタル化を進めるための多岐にわたる活動をサポートします。特にフランチャイズ事業においては、店舗運営や顧客対応をより効率的かつ効果的に行うためのITツールの導入を強く推奨しています。

【特徴】

- ITツール周りの幅広い活動が補助対象:情報システムの導入、IT機器の購入、ウェブサイトの構築やリニューアルなど。

- フランチャイズビジネス向けの利用事例が豊富:POSシステムや顧客管理システムの導入、オンライン予約・注文システムの開始など。

【対象事業者】

中小企業および小規模事業者。

【対象経費】

パッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用、店内のデジタル化関連経費など。

【支給金額】

補助金の額は、ITツールの導入プロセス数によって異なる。具体的には、A類型(業務プロセス数が1つ以上)の場合、5~150万円未満。B類型(業務プロセス数が4つ以上)の場合、150~450万円以下。補助率はどちらの類型も1/2となっています。

事業承継・引継ぎ補助金

【概要】

事業承継・引継ぎ補助金は、中小企業庁が管轄する補助金で、事業の継承や再生を行う中小企業や個人事業主が利用できる制度です。事業再編や統合などを含む事業の承継のタイミングでの経営革新や継続をサポートする目的で提供されています。

【特徴】

- 複数の事業種別毎の補助金枠が存在し、それぞれ異なる補助上限や利用ケースが設定されている。

- 事業の継承や再生を目的としているため、経営の革新や事業の再編、統合を行う企業に特に有効。

- 毎年予算の見直しを行っており、補助金額の上限などが変動することがある。

【対象事業者】

中小企業や個人事業主。特に事業の継承や再生を検討している事業者。

【対象経費】

経営革新などに関する取り組み、専門家の活用にかかる費用、廃業や再起業を目指す際の取り組み費用など。具体的には、人件費、店舗等借入費、設備費、原材料費、産業財産権等関連経費などが対象です。特に人件費、店舗等借入費が対象経費に含まれている点が他の補助金と比較した時に際立つポイントでしょう。

【支給金額】

- 経営革新事業に該当する場合、補助上限500万円、補助率最大50%。

ものづくり補助金はフランチャイズに向かない

今回ご紹介した補助金以外にも、知名度が高い補助金として、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(通称:ものづくり補助金)があります。

しかし、ものづくり補助金は、中小企業における新サービス・試作品の開発や生産プロセス改善のための制度です。

そのため、すでに構築されたビジネスモデルを展開していくフランチャイズでの受給は難しくなっています。

実際に、ものづくり補助金の過去の採択事例では、フランチャイズの案件はほぼ存在しません。

フランチャイズにおける補助金の採択事例

Food's Route提携企業の株式会社KIGAIでは、補助金申請サポート業務を提供しています。

ここでは、株式会社KIGAIの実績の中で、フランチャイズビジネスでの補助金の採択事例をご紹介します。

コロナ禍における業種転換(例:美容院からパン屋へ)、経営の多角化(例:未経験での飲食業界参入)など、思い切った挑戦を検討中の方はぜひ参考にしてください。

事例1:テイクアウト専門パン屋の開業

フランチャイズで開業したパン屋のパンの画像

【申請した補助金】

事業再構築補助金の通常枠で業種転換型

【事業概要】:「パン屋による地域活性化事業」

この事業ではコロナ禍における中食需要の拡大に着目し、デリバリー専門のフランチャイズパン屋を展開しました。

事業前は美容院を営んでいましたが、コロナによる客足の低下から事業転換を決意しました。

保有地や地域で培った人脈というリソースを活かしながら事業の再構築と地域活性化に取り組みました。

【対象経費】

保有店舗の内外装工事費、厨房設備費、店舗デザイン依頼費、店舗研修費

【補助金申請額】

補助対象経費が約2000万円、補助率が2/3のため、補助金交付申請額は約1300万円

事例2:わらび餅ドリンク屋の開業

フランチャイズで開業したわらび餅屋のドリンク

【申請した補助金】

事業再構築補助金

【事業概要】:「フランチャイズ契約式わらび餅の販売事業」

この事業ではコロナ禍におけるテイクアウト需要の拡大に着目し、経営多角化の一貫として食べ歩き用のわらび餅・わらび餅ドリンクを主力としたフランチャイズ加盟方式の飲食店を展開しました。

事業前はトラックやタンクローリーなどの業務用大型中古車販売を行っていましたが、コロナによる客足の低下と海外輸出に依存することの脆弱性から新分野事業展開を決意。

既存事業と本事業の両輪で企業の長期的成長を目指します。

【対象経費】

保有店舗の内外装工事費、厨房設備費、店舗研修費

【補助金申請額】

補助対象経費が約900万円、補助率が2/3のため、補助金交付申請額は約600万円

補助金申請サポートを活用しよう

株式会社KIGAIは、「中小企業から日本の未来をつくる」をミッションとして、補助金獲得支援事業を行っています。

社名の由来は、「逆境に負けずに気概を持って挑戦されている方々を、気概を持って支援する」です。

資金調達にお困りで補助金申請を検討の方は、ぜひ一度お問い合わせください。

株式会社KIGAIでは、各種補助金や助成金の採択率は80%を超え、実際に獲得した補助金の総額は3億円以上となっています。

補助金の申請手続きは煩雑ですが、申請完了まで通常100時間かかると言われる準備時間を5時間程度に圧縮するなどの実績もあります。

また、申請の代行だけでなく、申請前の事業構想の相談から申請後のアフターフォローまで、徹底的にサポートします。

補助金申請サポートに関するお問い合わせはコチラをクリック(無料)

まとめ

フランチャイズ事業者でも、多様な補助金を活用することが可能です。

しかし、申請する前に知っておくべき点がいくつか存在することを解説しました。

例えば、補助金はすぐに支給されるわけではなく、事業に使用した金額分だけ様々な書類を精査した後に受け取ることができるということや、フランチャイズ加盟金などは補助対象外になることは抑えておくべきしょう。

また、補助金の種類も豊富であり、その要項や金額面などから絞っていく必要があります。本記事でも簡潔に取り上げましたが、実際に補助金採択を勝ち取った成功事例を参考にすることで、実際の適用方法や利益を理解する手助けとなるでしょう。

本記事の情報が、資金巡りに悩める事業者様の一助となることを願っています。


執筆:渡辺大介(株式会社KIGAI)

補助金コンサル・SEO業務などをインターン生として担当。東京大学大学院工学系研究科在学中。生成AIを活用した業務効率化・コンテンツ作成を推進中。

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