飲食店を経営する上で気にしなくてはならない指標はたくさんありますが、それらの中でも特に重要度の高い指標が、「回転率」です。
飲食店を始めるのであれば、回転率の概要はマストで把握しておかなくてはいけません。
そこでこの記事では、飲食店の回転率について紹介していきます。
回転率の求め方はもちろん、回転率を上げる方法についても紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店の回転率とは
飲食店の回転率とは、店内にある客席を何人のお客さんが使ったかを図るための指標です。
お客さんが何回入れ替わったかといった捉え方もできます。
回転率が高い店舗は来客数が多い店舗ということになり、来客数が多いとそれだけ多くの注文が入るので収益性の高いお店ということになります。
そのため、一般的に「飲食店を繁盛させたいのであれば回転率を良くすることを意識するべきだ」と言われています。
ただ、闇雲に回転率をあげればいいわけでもありません。
牛丼チェーンやファーストフード店のように客単価の低い飲食店は回転率を高めてなるべく多くのお客さんに利用してもらう必要があります。
その一方で、高級レストランのように客単価の高い店舗は、回転率を重視してしまうとお店の雰囲気やブランドにあったサービス提供ができなくなる可能性があるため注意しなくてはいけません。
飲食店の回転率の計算方法
飲食店の回転率は、「お客さんの数 ÷ 客席数」で求めることができます。
10席程度の小規模な飲食店があり、その店舗の一日の来客数が50人だった場合、その店舗は5回転したことになります。
この回転数が高ければ高いほどお客さんのよく入る、回転率の良い飲食店ということになるのです。
飲食店の回転率を上げる方法
先述したとおり適切な回転率は飲食店のジャンルや取り扱っているメニュー、提供している料理の単価によって異なるため、必ずしも回転率を上げればいいわけではありません。
しかし、回転率が見合っていない・回転率が悪いと感じられる場合は、回転率を上げるための施策を積極的におこなうべきです。
飲食店の回転率を上げる主な施策として、3点があげられます。
- オペレーションにかかる時間を減らす
- メニューの提供時間を短縮する
- 長居されにくい環境を作る
それぞれ詳しく解説していきます。
オペレーションにかかる時間を減らす
オペレーションにかかる時間を減らすことができれば、自然と回転率は上がります。
注文を取るのに時間がかかってしまっている場合は、お客さんから声をかけられたらすぐに注文を取るようにしたり、注文用端末を導入してお客さん自身が注文できるようにすることで時間を短縮できます。
会計に時間がかかっている場合は、より直感的に操作しやすい端末を導入したり、キャッシュレス決済を導入することで短縮できるでしょう。
また、料理の写真や説明入りのメニューを導入することで、お客さんが「どんな料理なんだろう…」と考える時間が減り、注文するメニューを決めるまでの時間を短縮することもできます。
メニューの提供時間を短縮する
注文してもらったメニューを提供するのに時間がかかってしまっていると回転率が悪くなるので、メニューの提供時間もできる限り短縮するようにしなくてはいけません。
ドリンクの場合はグラスに簡単に注げるサーバーを導入することで、提供時間を短縮できます。
料理の場合は、仕込みをしっかりとおこなうことで提供にかかる時間を大幅に短縮できます。
また、料理を提供するまでの時間はスタッフのスキルにも左右されるので、教育に力を入れてスタッフのスキルを向上させ、提供時間の短縮につなげましょう。
長居されにくい環境を作る
飲食店の中にはテレビを流したり、新聞や漫画を用意するなど、お客さんがついつい長居してしまいたくなるタイプの店舗があります。
そういった店舗は、居心地がよくリピートしたくなる反面、回転率が悪くなってしまう傾向にあるため注意しなくてはいけません。
ある程度の回転率を担保したいのであれば、長居されにくい環境を用意するべきです。
具体的な例としては、
- テレビを流すのをやめる
- 漫画や雑誌、新聞などを置かない
などがあげられます。
コーヒーやソフトドリンクの飲み放題サービスも長居されにくい環境を作るという点ではマイナスになるので避けるべきでしょう。
ただし、居酒屋など追加での注文を見込めるような店舗など逆に長居してもらった方が良いケースもあるので、この施策は店舗の性質に合わせて取り入れるかどうか決めるようにしてください。
まとめ
飲食店の回転率について紹介してきました。
飲食店の回転率は飲食店のジャンルや取り扱うメニュー、メニューの単価によって異なるので、まずは店舗の適切な回転率を把握できるかどうかが重要です。
回転率は闇雲に高めればいいわけではありませんが、より店舗の売上をアップさせたいときには回転率を高めるための施策が必要になります。
今回紹介した回転率を上げる方法はいずれも定番と言えるものばかりですが、それだけ成果の期待できる施策でもあるので、ぜひ取り入れてみてください。