近年、テイクアウト専門の店舗としてコーヒーショップを開業する方が増えてきています。
そこでこの記事では、テイクアウト専門のコーヒーショップでの起業をおすすめする理由について紹介していきます。
「なぜ今コーヒーショップで起業するならテイクアウト専門店がおすすめなのか」というテーマで、データをまじえながら解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
コーヒーショップで起業するならテイクアウト専門店がおすすめ
これからコーヒーショップで起業したいと考えているのであれば、店舗でコーヒーを楽しんでもらう一般的なイートイン店舗の起業ではなく、テイクアウト専門のコーヒーショップがおすすめです。
なぜなら、テイクアウトへの需要がこれまでにないほど高まっているからです。
▲ 画像引用元:テイクアウト - 調べる - Google トレンド
こちらは、過去5年間のテイクアウトに対する需要をグラフで表したものです。
新型コロナウイルスが日本でも確認され、緊急事態宣言が発令された時期からテイクアウトに対する需要が爆発的に高まっているのがわかります。
▲ 画像引用元:コーヒー - 調べる - Google トレンド
さらにこちらはコーヒーへの需要を表したグラフです。
時期によって多少の増減はありますが、基本的に需要が安定していることがわかります。
このように、もともと安定した需要のある商材であるコーヒーと今のトレンドとなっているテイクアウトをかけ合わせたテイクアウト専門のコーヒーショップは非常に魅力的なビジネスモデルだと言えます。
テイクアウト専門店への需要が高まっている2つの理由
テイクアウト専門店への需要の高まりは、テイクアウト専門のコーヒーショップに限った話ではありません。
先ほど紹介したグラフを見てもらえれば、テイクアウト専門店そのものへの需要が高まっていることがわかるかと思います。
そこで気になるのがテイクアウト専門店への需要が高まってきている理由についてですが、主な理由としては、
- 新型コロナウイルスの影響
- 軽減税率制度が導入された影響
の、2点が大きく関係していると考えられます。
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
1. 新型コロナウイルスの影響
2019年に発生し、日本でも2020年の1月以降爆発的に感染が広がっている新型コロナウイルス。
私たちの生活はその新型コロナウイルスによって一変しましたが、新型コロナウイルスはテイクアウトに注目が集まるようになったきっかけでもあります。
「新型コロナウイルスに感染したくない」という思いや緊急事態宣言の影響などから外出・外食を控える人が増え、その結果テイクアウトの需要が高まったのです。
先ほどのグーグルトレンドのグラフを見てもわかるように、新型コロナウイルスが登場して以降テイクアウトへの需要は5倍以上になっています。
新型コロナウイルスが落ち着いてくるとテイクアウトへの需要もある程度減少すると考えられます。
しかし、テイクアウトにも便利な点はたくさんありますし、テイクアウトのサービスを利用することに慣れ、当たり前のように利用する人も多くなってきているので、その需要は今後もなくなることはないでしょう。
2. 軽減税率制度が導入された影響
2019年の10月に8%から10%へと引き上げられた消費税。
そのタイミングで導入されたのが、軽全税率制度です。
軽減税率とは特定の商品の税率を低く設定する制度ですが、デリバリーやテイクアウトにも適用される制度でもあります。
軽減されるのは2%だけではありますが、仮に500円のコーヒーを毎日購入するとなると1年で3,650円の差が生じることになるため、決して少ない額ではありません。
何より、同じ商品を購入する場合でも、店内で飲食するかテイクアウトするかで値段が変わってしまうため、
「テイクアウトの方がお得に感じる」
「テイクアウトしないと損したように感じる」
と、考える方が多く、その結果テイクアウトへの需要が高まったのです。
テイクアウト専門のコーヒーショップで起業するメリット
店舗でコーヒーを楽しめる一般的なコーヒーショップではなく、あえてテイクアウト専門のコーヒーショップとして起業する主なメリットとしては、
- 少ない資金で始められる
- ランニングコストを抑えられる
の、2点があげられます。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1. 少ない資金で始められる
店内で飲食できるコーヒーショップを開店する場合、複数のお客さんが座れるだけの席を用意しなくてはいけないため、どうしてもある程度の広さが求められます。
広い物件を借りようとすればするほど家賃は高くなりますが、家賃が高い物件は契約する際の初期費用も高くなります。
また、テーブルやイスなどの家具を揃えるのにもお金がかかります。
一方、テイクアウト専門のコーヒーショップはテーブルやイスを用意する必要がありません。
そのため、家具を揃えるのにかかるお金を丸々節約できますし、広い店舗を借りる必要もないので初期費用も抑えられます。
起業時にかかるお金を節約できる点は、テイクアウト専門のコーヒーショップならではの大きなメリットだと言えるでしょう。
2. ランニングコストを抑えられる
コーヒーショップなどの実店舗を持つ飲食店のビジネスでネックになるのがランニングコストです。
継続的に発生するコストであるライニングコストにはさまざまな項目がありますが、経営にあたえる影響が特に大きいと言えるのが「家賃」です。
毎月発生する家賃は安くても数万円、高い場合だと数十万になるケースもあります。
しかし、テイクアウト専門のコーヒーショップはコーヒーを用意して提供できるだけの広さがあればいいので、広い店舗を必要としません。
狭い物件でも十分に営業できるため、毎月の家賃を大幅に節約できます。
これも、広さを必要としないテイクアウト専門のコーヒーショップならではの大きなメリットだと言えます。
テイクアウト専門のコーヒーショップで起業するデメリット
テイクアウト専門のコーヒーショップでの起業に魅力を感じ、挑戦してみたいと考えているのであれば、メリットだけでなくデメリットについても把握しておかなくてはいけません。
テイクアウト専門のコーヒーショップで起業する主なデメリットとしては、
- 客単価が低い
- 備品代がかかる
の、2点があげられます。
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
1. 客単価が低い
コーヒーショップにはもともと商品単価が安いというデメリットがありますが、テイクアウト専門店の場合さらに商品単価が安くなってしまいかねません。
店内で飲食できるコーヒーショップの場合、コーヒーのおかわりや軽食、デザートの注文などで客単価を上げられますが、店内で飲食できないテイクアウト専門店の場合は追加の注文を促すことができません。
複数のドリンクを注文してもらったり、その場で軽食を購入してもらうことはできますが、店内に長時間滞在してもらうことで発生する追加注文は期待できないため、どうしても客単価が低くなってしまうのです。
そのため、軽食やデザートを用意したり少し高めのドリンクをメニューの一つとして用意するなど、客単価をあげる工夫が必要になります。
2. 備品代がかかる
店内で飲食できるコーヒーショップの場合、食器でドリンクやフードを提供できるためそれほど備品代はかかりません。
一方、テイクアウト専門のコーヒーショップは食器でドリンクやフードを提供することができないため、どうしても備品代がかさんでしまいます。
- コーヒーを入れて提供する紙やプラスチックのコップ代
- 複数購入してもらった場合の袋や箱代
- フードを注文してもらったときの使い捨てのスプーンやフォークの代金
など、さまざまな場面で備品代が発生します。
一個あたりの費用は微々たるものですが、積み重なっていくと結構な金額になってしまうため、備品代を節約するなど備品代をまかなう工夫が必要です。
テイクアウト専門のコーヒーショップの開業に必要な許可
テイクアウト専門のコーヒーショップを新しく開業する場合、「飲食店営業許可証」と「食品衛生責任者の資格」の取得が必要になります。
これらは飲食店を営業するうえでなくてはならない許可書と資格です。
食品衛生責任者の資格は各自治体でおこなわれる講習に参加することで取得できる資格で、1万円ほどで取得できます。
手間がかかるのが飲食店営業許可証で、飲食店を運営するのに必要な設備を整えた上で保健所に立ち入りの検査をおこなってもらう必要があります。
テイクアウト専門のコーヒーショップはフランチャイズでの起業がおすすめ
テイクアウト専門のコーヒーショップで起業する場合、独自で起業する方法とフランチャイズに加盟して起業する方法がありますが、フランチャイズでの起業が断然おすすめです。
なぜなら、ユーザーへの認知度や知名度が高く、ノウハウを提供してもらえる状態での起業の方がビジネスが上手くいく可能性が高いと言えるからです。
独自で起業する場合、当然ではありますが、すべて自分で対応しなくてはいけません。
「すべて自分の思い通りにできる」と言えば聞こえはいいかもしれませんが、起業した経験がなく、知名度ゼロで認知されていない状態から成功するのは至難の技です。
それより、加盟金や保証金、毎月のロイヤリティを支払ってでもフランチャイズに加盟して開業する方が成功する確率は何倍も高くなります。
まずはフランチャイズで始めてみて、経験や独自のノウハウがたまったら独自で起業するという方法もあるので、フランチャイズでの起業を検討してみてはいかがでしょうか?
まとめ
これからコーヒーショップを起業したいと考えている方向けに、テイクアウト専門のコーヒーショップとしての起業をおすすめする理由について紹介してきました。
テイクアウト専門のコーヒーショップは、リスクを抑えながら起業できる魅力的なビジネスモデルです。
多少のデメリットはありますが、時代の流れにもあっていますし、需要が完全になくなってしまうこともないでしょう。
起業する際は、独自で開業するのではなくフランチャイズとして開業するのがおすすめなので、テイクアウト専門のコーヒーショップのフランチャイズを探すところから始めてみてはいかがでしょうか?