食専門のフランチャイズ比較

飲食店は立地が最重要?物件の探し方やポイントをご紹介

飲食店の成功は「出店場所・物件探しで5割りが決まる」と言われるほど重要とされています。物件選びにはひとつの正解があるのではなく、そのお店のコンセプトや来店して頂きたいユーザーの層によっても異なります。

ではその成功する物件の選び方はどこを見ればいいのでしょうか?ここでは、これから飲食店を開業する方に向けて、飲食店の物件探し方や立地選びのポイントをご紹介します。

飲食店の物件探しは立地がとても大事

飲食店の物件探しは立地がとても重要とされています。それは飲食店で提供される料理やサービスとユーザーの相性によって客入りが左右されるからです。

例えば、学生が多く住むエリアであれば、料金の安いファーストフードが人気が出ますが、高級な洋食店の来店は少なくなります。反対に高級住宅街では、品質も価格も高い高級志向なお店が人気になるはずです。

  • 高級住宅街であってもファーストフードも人気があるかもしれませんが、賃料を考えると高級な洋食店で売り上げを伸ばすことが重要と考えられます。

特にブランドの認知度を利用できるフランチャイズ飲食店はその影響が現れやすいです。テレビやネットで広告を打っている知名度の高い飲食店では、新店舗であっても早い段階での来店が期待できます。

客入りの見込める立地は賃料が高ければ高いほど言いわけではなく、ユーザーにマッチした場所を選ぶのがポイントになります。出店後は、気軽に出店場所を変更できませんので、慎重に選ぶようにしましょう。

飲食の種類により好立地の条件は違う

飲食店のジャンルは多種多様ですが、それに合わせて選ぶべき立地の条件も異なります。これから飲食店を持つ方は、事前に立地の種類や選び方のポイントについて確認しておきましょう。

立地の種類

立地場所

まずは飲食店を出店する際によく検討される6つの立地の特徴について解説いたします。一見同じように見えても、ユーザーの属性が異なるのできちんと確認しておきましょう。

1.駅前

駅前はもっとも集客の見込める立地のひとつで人通りの多い激戦区です。出店場所として人気なだけあり、広告を打たずとも、出店するだけである程度の集客効果のあるエリアです。

そして駅からすこし離れた駅近も同様に激戦区となります。駅近の定義はさまざまですが、徒歩で数分以内であれば駅近と名乗ってもいいでしょう。

提供する料理はもちろん、利用時間帯やその駅の利用者数によっても効果が違い、その駅ごとにどのような特性があるかを出店前に確認する必要があります。サラリーマンがメインの層であれば、「朝の時間帯よりランチや夜の時間帯に力を入れる」というように営業時間の検討も重要です。

また、駅前は人目につきやすいのでお店の看板を出しているだけでも宣伝効果になります。駅前というだけで一定の集客が可能なので浮いた広告費を賃料に回せば、総合的な経費も抑えられるかもしれません。

【メリット】

  • 人通りが多く、一定以上の集客が見込める
  • お店を出すだけで宣伝効果がある
  • アルバイトやパートが集まりやすい

【デメリット】

  • 賃料や人件費が高くなる
  • その駅のアクセスにも影響される
  • 競合が多い

2.繁華街

駅前と似たような効果をもつ立地に繁華街があります。繁華街は基本的に街の市街地にあり、どこからでもアクセスしやすい場所に立地しています。

常に人通りが多いので足を運びやすいという特徴がありますが、特に土日や祝日に人が集まりやすく、メインターゲットは若年層が多いです。夜の遅い時間帯まで営業しているので、広い時間帯での集客が期待できます。

ただ飲食店が多く立ち並んでおり、競合も増えてしまうので、他の店舗にはないポイントをアピールするなどの差別化が必要です。

アクセスがいいため、メディアなどに取り上げられれば、爆発的な宣伝効果も期待できます。ひっそりとお店を運営するより、強みを最大に活かした攻めの営業方法が求められる立地といえるでしょう。

【メリット】

  • 人通りが多く、一定以上の集客が見込める
  • 土日や祝日に人が集まりやすい
  • アクセスが良い

【デメリット】

  • 競合が多い
  • 賃料や人件費が高くなる
  • 物件がなかなか手に入らない

3.商店街

商店街も賑やかなイメージがありますが、利用層は中高年層や車を利用できない方などが中心です。ただ一口に商店街といっても、その商店街ごとに特色は異なり、

  • 昼と夜の時間帯の違い
  • 利用客の層

などは出店前にリサーチが必要です。

商店街は、道路の両側にそれぞれの店舗が独立して立ち並ぶ形態がほとんどで、飲食店の競合も多くなりますが、店舗のオーナー同士の繋がりが強いのが他の立地とは少し異なります。その地域の商店街オリジナルのイベントを開催しているところもあり、商店街というだけでも、高い集客力が期待できます。

ただ、商店街の空き店舗の数は年々増加しており、全国的に衰退傾向にあります。出店する際はシャッター街になりかけているような場所ではなく、活気のある商店街を選ぶことが最重要になります。

商店街は徐々に衰退してるため、経済活性化の目的で国や自治体からの補助金を受けやすく、開業までの資金負担が低いのも一つの特徴です。商店街への出店を検討している方は、自分に該当する補償金がないかを忘れずに確認しましょう。

【メリット】

  • 補助金がもらいやすい(にぎわい補助金、商店街起業・承継支援事業など)
  • 地域の繋がりが強い
  • 集客力が高い

【デメリット】

  • 会費支払いがある
  • 商店街が衰退している
  • 競合が多い

4.ビジネス街

ビジネス街とは、会社などの事務所やオフィスビルが集中して立地している地域です。東京では丸の内や大手町などがビジネス街にあたります。

利用客の層は当然働き盛りの20〜40代のサラリーマンが多く、購買力が高いため高い売り上げが期待できます。主な利用時間帯は、平日のランチタイムや仕事終わりの夜が多く、行動のパターン決まっているので客層の需要や動向が把握しやすいのも強みです。

ただサラリーマンなどの企業に勤める社会人がメインターゲットになってしまうので、どうしても土日や祝日などの集客は厳しくなります。仕事が休みでもわざわざ足を運びたくなるほどの強みを作るか、人件費などのコストを抑えた運営方法が必要です。

その街によっても消費者動向は異なるので、

  • 商圏内の人口の流れ
  • 詳細な利用時間帯
  • 年齢層や男女比

を事前の立地調査で確認しておきましょう。

【メリット】

  • 客層の需要や動向が把握しやすく​​、対策が立てやすい
  • ターゲットの購買力が高い
  • 高い集客率

【デメリット】

  • 賃料が高い
  • 土日や祝日の集客が難しい
  • 競合が多い

5.ロードサイド

生活道路や幹線道路沿いにある店舗は「ロードサイド物件」と呼ばれ、自動車での出入りのしやすさが売りの立地です。ユーザーは車を運転しながら店選びをしているため、遠く離れた場所からの来店も期待できます。

広い範囲から出店する場所を決められるので、駅前や繁華街よりも賃料が安いですが、大通りに面した交通量の多いスポットは地価も高い傾向があるので注意が必要です。

ただ郊外のロードサイドであれば地価が安いため、賃料を抑えられることに加えて、アルバイトやパートの時給も都市部より低く設定できます。もともと人件費の低いセルフサービスがメインの飲食店との相性がよく、高い利益率も期待できます。

また、車での来客を見込んでいるので「反対車線からの侵入がしにくい」など、前述した立地よりも地形的な影響が大きいです。

  • 車が入りやすいか
  • 駐車場への動線や視認性が良いか
  • 店舗や駐車場の面積の広さ

などの点を事前に確認しておきましょう。

【メリット】

  • 店舗や駐車場の面積が広い
  • 場所によっては賃料が安い
  • 認知されやすい

【デメリット】

  • 店舗の外にまで注意を払う必要がある
  • 大型の商業施設が競合となる
  • 土地の大きさによっては施設が限定される

6.商業施設

商業施設には、駅や繁華街と同じように高い集客力がありますが、「金銭を支払う」ことを目的とした人が訪れるため、より購買意欲の高い消費者にアピールできる立地となります。

店舗の前を通りすがるだけの人であっても、商業施設であれば、販売のチャンスの大きいターゲットになり得ます。一般的な路面店と比べて施設内での滞在時間も長いため、広告費用を削減しながら、意欲の高い層に効果的にアプローチすることが可能です。

一口に商業施設といっても「駅ビルのショッピングセンター」や「郊外のアウトレット」など、規模や立地、目的に応じてさまざまです。飲食店の業態が商業施設の出店先として相応しいがどうか事前に調査しておきましょう。

一方、デメリットとして挙げられるのが、「営業日や営業時間の制限」や「施設のコンセプトに合わせた店舗デザイン」です。どちらも商業施設側の制約に従わなければならないため、運営戦略の幅や店舗デザインの自由度がどうしても低くなってしまいます。飲食店によっては致命的な欠点となるため、出店の際の契約条件は入念に確認しましょう。

【メリット】

  • 商業施設の集客力を活用できる
  • 購買意欲の高い消費者が集まりやすい
  • 客足が天候に影響しにくい

【デメリット】

  • 営業日や営業時間に制限がある
  • 店舗デザインの自由度が高くない
  • 出店に際して審査が必要

立地選びのポイント

さまざまな特色を持った立地がありますが、事業のコンセプトや計画によって優先するべき項目は違います。ここであらためて立地選びのポイントを確認しましょう。

立地選びのポイント

  • 家賃相場や通勤のしやすさ・周りにどのような施設があるか
  • 視認性の高い看板の設置が可能か
  • 何階にあるか・駅近であれば、駅の利用者数

売り上げに直結しやすい交通量の多さは、時間帯別や曜日別など様々な状況で調査する必要があります。

調査には業者に依頼する方法や自分の足現地に行くなどの調べる方法がありますが、事前に想定していた状況とのずれがあるかもしれません。調査済みデータがあったとしても過去のものであれば、現在の通行量をあらためて調査をするのをおすすめします。

  • 家賃相場や駅の利用客は、数字のデータとして確認できるので、事業計画に組み込みやすく予想が立てやすいです。

どの店にとっても良い立地という場所はなく、出店予定のお店の形態との相性の良さも重要です。

例えば、客席が10席しかない小型の店舗であれば、回転率を上げることを前提にした運営方法となり、一定以上の通行量が求められます。反対に客単価重視であれば少し郊外へ出た場所の方が適しているといえます。

マクドナルドのビルインタイプの出店では

  • 駅前、繁華街
  • 敷地面積が200㎡以上

などの条件が決められているものも存在するので、フランチャイズ加盟で出店予定の場合は条件を確認しておきましょう。

また、家賃や利用者数といった数字のデータだけでなく、人や周辺施設の属性や雰囲気といった情報も把握しておきましょう。

競合店舗が出店しているか

競合店舗が多いことはライバルが増えるだけでメリットがないと思われるかもしれませんが、悪ことばかりではありません。むしろ競合が多いということはそれだけ売り上げが見込める立地ということです。

日高屋は、マクドナルドや吉野家など競合のある場所にしか出店していません。普通であれば、顧客が奪われてしまうのではないかと考えますが、毎食ハンバーガーや牛丼で済ませる人はいないので、実際の影響はそこまで大きくありません。

さらに、日高屋は競合の多いことを逆手に取り、「マクドナルドや吉野家が自社で徹底調査した条件のいい立地」に調査なしで出店するコバンザメ商法を採用しています。

つまり、すでに集客が見込める立地を選ぶということはそれだけ、調査費用を抑えられるということです。

  • ほかにも、人通りが多ければ売り上げが頭打ちしづらかったり、「あそこは飲食店がたくさんあるからとりあえず行ってみよう」と足を運んでもらいやすかったりします。

反対に競合の出店していないエリアに出店するメリットもあります。ライバルが出店していなかったとしても、集客が見込めなければ意味がありません。競合店がない地域を選ぶにしても人口や世帯が多いエリアを選ぶようにしましょう。

物件探しのポイントはターゲットをはっきりさせること

ターゲット分析

商業施設のなかでもとりわけ飲食店は、見た目や雰囲気などの影響が大きいです。物件とターゲットを正しく理解できれば、集客にも効果的です。

ここからは物件探しのポイントについて解説します。

どのようなブランド・業態を出店するか

飲食店に限らず出店予定のブランドや業態を認識しておくこととてもは重要です。そのブランドが得意としている客層や業態を理解しておきましょう。

【ブランドや業態による出店ポイント例】

  • 店舗面積が小さく座席が少ない場合は、回転率を上げる
  • 原価率の高い商品を扱っているのであれば、リピーターを増やす
  • 女性向けの商品が多いのであれば、流行要素を取り入れる
  • 学生の多い街であれば商品の値段を下げる

出店物件や立地を決める場合は、その店舗ならではの強みに合わせることが重要になります。

仮にまだ出店する店舗の業態が決まってなく、条件の良い立地があれば、逆算してブランドや業態を決めるという順番をとってもいいかもしれません。

ターゲットはどのような人物か

開業する際に、提供する商品は誰に食べてもらうのかを決める必要があります。どのようなターゲットを狙うかは立地選びと同じくらい重要で、事業コンセプトの段階で決めておくのが一般的です。

  • 例えば、甘いスイーツを取り扱っている飲食店では、男性よりも若い女性の方が人気が出やすいはずです。男性の顧客を捨てるわけではありませんが、この場合は女性をメインにした商品展開を考えてく必要があります。

狙うターゲットは提供する料理から決めることもあれば、ターゲットを決めてからお店の商品や業態を決めることもあります。飲食店フランチャイズの場合はすでに提供する料理が決まっているので、ターゲット層の集まりやすそうなエリアの調査からはじめましょう。

エリアごとのターゲット情報は自治体が出しているデータでも年齢や性別は確認できますが、実際に利用するお客のイメージが湧きづらいです。通行量だけでなく、通行人に対して近隣店舗への聞き込み調査も行うとよりターゲット像が明確になるのでおすすめです。

ターゲットが集まりやすそうな場所はどこか

ターゲット層が把握できたら、次に理解するべきはターゲット層が集まりやすそうな場所です。

ターゲットによって生活圏や移動手段が異なるので、年齢や性別だけで判断するのは早計です。出店を場所を決める際は、ターゲットの働き方・暮らし方も視野に入れて調査するようにしましょう。

ターゲットの来店手段に加えて、

  • そもそも飲食の需要があるのか
  • 同業態の飲食店が何店舗あるか

を同時に確認しながら調査場所を探ることも重要です。

業態別の必要商圏の範囲と人口は、ある程度目安が決められており、出店の参考になります。飲食店の場合はと徒歩や自転車による移動手段がメインとなりそうです。

【業態別商圏の範囲】

業態距離
コンビニエンスストア~500m
ファミリーレストラン、カフェ等~500m
一般居酒屋、カジュアルレストラン等2~3km
大型小売店・スーパーセンター5~20km
ドラッグストア2~5km
業態移動手段
コンビニエンスストア徒歩・自転車
ファミリーレストラン、カフェ等徒歩・自転車
一般居酒屋、カジュアルレストラン等
大型小売店・スーパーセンター
ドラッグストア

出店場所を間違えると売り上げが立たたず、アルバイトや従業員にまで影響が及びます。納得できる物件を探しましょう。

立地を決める前には必ず事前調査

調査

出店を考えている立地があれば、必ず「その土地には想定したとおりのターゲットがいるか」や「事前に調べた情報と同じものがあるか」を確認するようにしましょう。

特に

  • 候補地の周辺の店舗の家賃相場
  • 店舗の面積
  • 駐車場の有無や台数
  • 駅からの距離

の項目に注意しながら調査すると安心です。

これらの地域に関しての調査のほかにも、人口動態に基づく分析や消費者のライフスタイル調査もできれば、より信頼性が高まります。

人口動態に基づく分析では、どのような層が店の周辺に住んでいるかを把握できるため、今後の人口も予測しやすく将来性の高いマーケティングが可能です。調査する際は、国政調査のデータや自治体の人口の流入・出生・結婚などのデータも参考にしましょう。

また消費者の年代や家族構成ごとのライフスタイル調査も重要な指標になります。消費者の動向を把握できれば、売り上げはもちろん、新しい商品の開発にも活かせるのでぜひ調査しておきましょう。

  • 出店場所はお店の成功を大きく左右する要素であり、飲食店フランチャイズでは本部が出店場所の条件を指定しているケースも多いです。立地選びに自信がないようであれば、本部のサポートを頼るようにしましょう。

飲食店向けの物件サイトを使うのがおすすめ

物件選び

飲食店を始めるのであれば必ず物件を持つことになります。それはデリバリーやテイクアウトなど座席のない場合であっても同じです。

物件選びは人によって異なり、以前飲食店として使っていたお店をそのまま居抜き物件として受け取るケースもあれば、自ら探す方法もあります。

物件の選び方についてはこちらの記事で詳細に解説してますので、こちらを参考にしてください。

自分のお店を持ったことがない方は、ゼロから店舗を建てるよりも空き物件を賃貸するのがおすすめです。その中でも飲食店向けの物件サイトから物件を探す方法が手間も少なく、信頼性も高いです。

店舗物件の情報は、普通の物件と違い情報を手に入れるのは簡単ではありません。そのエリアの不動産屋が情報を持っていなかったり、店舗関連の業者などが情報を持っていたりします。

そのような複雑な情報収集はすべてまとめて任せられるため、極力情報の揃っている物件サイトから選ぶようにしましょう。

もちろん地域の不動産会社へ足を運んで調査する方法もあります。その際は、飲食店経験のないスタッフに伝わるように、具体的にどんな設備を望んでいるかを伝えるようにしましょう。

まとめ

飲食店の開業に際して欠かせない立地の種類や選び方について解説しましたが、最適な判断するためにはさまざまな情報を収集しなければなりません。

どの店舗でも人通りの多い駅前に出店すればいいわけではなく、業態にあった立地を選ぶことが重要です。

一番売り上げの伸びる場所を見つけるのは容易ではありませんが、この記事に書いた内容を参考にしていただければ、間違った場所に出店する可能性は低くなるはずです。飲食店営業のいいスタートが切れるように事前調査はしっかりと行うようにしましょう。

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