飲食店を経営する上で避けて通れないクレーム対応。
この記事では、飲食店におけるクレーム対応のポイントについて紹介していきます。
- 飲食店で発生しやすい代表的なクレーム
- 穏便に処理するためのクレーム対応のポイント
- クレームに対する返金対応
などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
接客業従事者の約半数がクレームを受けた経験あり
日本の労働環境における問題の解決を目的としている「日本労働組合総連合会」によると、飲食店を含む接客業に従事している人の約半数がクレームを受けた経験があると回答しています。
参考:https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20171221.pdf?v0110
これは飲食店のみのデータではありませんが、「真面目に商売していればクレームなんて発生しない」と安易に考えるべきではありません。
万が一クレームが発生してしまった場合、冷静かつ正しく対応できるよう、正しい対応方法について把握しておくことが大切です。
飲食店で発生しやすい5つのクレーム
飲食店で発生するクレームに対して適切に対応するためには、どういったクレームが発生するのか把握しておかなくてはいけません。
飲食店で発生しやすいクレームとしては、5つがあげられます。
- 待ち時間が長い
- 料理の味が悪い
- 料理に異物が混入していた
- 店員の接客態度が悪い
- 注文したものと異なる料理を提供された
それぞれ詳しく解説していきます。
待ち時間が長い
飲食店では、お客さんが待たされるタイミングがいくつもあります。
- 入店してから席に案内されるまで
- 呼んでから店員が注文を取りにくるまで
- 注文してから料理を提供されるるまで
繁盛している店舗や週末などお客さんが多くなる日・時間帯によって、入店できるようになるまで待たされることもあるでしょう。
店側としても意図的に待たせているわけではないので、多少の待ち時間は大人しく待っていてほしいのが本音ですが…待ち時間が長いと、どうしてもクレームに発展しやすくなります。
待ち時間が長いことに対するクレームを抑制するには、待ち時間を発生させない・長引かせないように工夫しなくてはいけません。
料理を提供する時間の短縮には限界があるので、
- お客さんが入店してきたらすぐに案内する
- 自分の好きな席に自由に座れる形式にする
- 注文で呼ばれたらすぐに注文を聞きにいく
- 注文用タブレットを導入する
- 券売機を導入する
など、料理提供以外の待ち時間をなるべく減らす取り組みをおこなうようにしましょう。
料理の味が悪い
飲食店はお金を払ってご飯を食べる場所なので、提供された料理の味が悪い場合もクレームにつながる可能性があります。
料理の味にクレームをつけられるケースは稀ですが、味の好みや味に対するこだわりは人それぞれなので発生してしまう可能性はゼロではありません。
味に対するクレームが多い場合、「複数の人が提供している料理の味に違和感を感じている」ということになるため、味付けの見直しが必要になるでしょう。
この場合は、従業員など第三者の意見も取り入れながら味を改良していくしかありません。
ただ、注意しなくてはいけないのが、「味が良くなかったから無料にするべき」などといったクレームについてです。
これらのクレームは飲食代を無料にしてもらうことを目的として、最初からクレームをつけるつもりで来店している可能性があります。
クレームをつけているにも関わらず完食しているなど不自然な点がある場合は、相手の要求に応じず、毅然と対応するようにしましょう。
料理に異物が混入していた
髪の毛や虫など、「料理に異物が混入していた」というクレームは飲食ならではです。
SNSなどに画像付きでアップされて拡散されるなど、炎上につながりやすいクレームでもあります。
このクレームを防ぐには、異物が混入する可能性を徹底的に排除するしかありません。
キッチンを定期的に掃除して虫や害獣が発生しないようにするのはもちろん、帽子の着用や髭剃りの徹底など経営者自身や従業員の身なりにも注意する必要があります。
また、食材に虫が付着してしまっているケースもあるので、食材の状態をしっかり確認した上で調理するようにしましょう。
店員の接客態度が悪い
店員の教育が行き届いていない飲食店で発生しやすいのが、店員の接客態度に対するクレームです。
飲食店の雰囲気や客層によって求められる接客の質は異なりますが、あまりにも接客がなっていないと、どういった店舗でもクレームに発展してしまう可能性があります。
ただ、店員の接客態度が悪いのは経営者の責任です。
経営者が従業員の教育システムをしっかりと整えておけば、接客態度へのクレームが発生してしまうことはありません。
接客用のマニュアルを用意し、研修期間を設けるなどして、最低限の接客を習得させた上で接客をおこなわせるようにしましょう。
注文したものと異なる料理を提供された
飲食店では基本的に複数のメニューを取り扱っているため、「注文したものと違う!」というクレームもよく発生します。
お客さんが勘違いしているというケースもありますが、その証明が難しいため基本的には謝って料理を提供し直すなどの対応をしなくてはいけません。
このクレームを予防するには、
- 注文内容の繰り返し確認を徹底する
- タブレットや券売機を導入してお客さんに選んでもらう
などの対応が必要になります。
トラブルを穏便に処理するために知っておきたいクレーム対応のポイント
前述したクレームが実際に発生してしまった場合、冷静かつ適切に対応するにはクレーム対応のポイントを把握しておくことが大切です。
トラブルを穏便に処理するために知っておきたいクレーム対応のポイントとして、4つがあげられます。
- まず不快な思いをさせてしまったことをお詫びする
- クレーム内容や事の経緯をしっかりとヒアリングする
- お客さんの立場になって考えた上で対応する
- お客さんの話を遮ったり反論したりしない
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
まず不快な思いをさせてしまったことをお詫びする
クレームが発生してしまった場合、まずやるべきことは誠心誠意、謝ることです。
クレームをつけるのは決して気持ちのいいものではないため、「わざわざ文句なんか言いたくない…」と考えているお客さんがほとんどでしょう。
その上でクレームをつけるということは、よほど嫌な思いをさせてしまったのだと理解しなくてはいけません。
謝って落ち着いてもらってからではないと、まともに話ができないというケースも多いので、まずは不快な思いをさせてしまったことに対してしっかりとお詫びをするところから始めるようにしてください。
クレーム内容や事の経緯をしっかりとヒアリングする
トラブルを解決するには、クレームの内容やクレームが発生してしまった経緯などについてしっかりとヒアリングしなくてはいけません。
お客さんからはもちろん、従業員の対応がクレームの原因になってしまっている場合は従業員の話も聞く必要があります。
内容や経緯をしっかりとヒアリングした上でどう対応するべきかを判断しないと、お客さんにより不快な思いをさせてしまいかねません。
- お客さんが何に対して不満を感じているのか
- なぜそういったトラブルが発生してしまったのか
などについて、徹底的にヒアリングをおこないましょう。
お客さんの立場になって考えた上で対応する
飲食店では理不尽なクレームが発生してしまうことも少なくありません。
明らかにおかしなクレームや要求には応じる必要はありませんが、経営者目線で対応するのは避けるべきです。
経営者目線で対応してしまうと、どうしてもお客さんのクレームや要求が理不尽に感じられ、要求を突っぱねるなど誤った対応をしてしまいかねません。
問題を穏便に解決したいのであれば、経営者目線ではなくお客さんの立場になって考えた上で対応するようにしましょう。
お客さんの話を遮ったり反論したりしない
クレームの内容をヒアリングしているときには、お客さんの話を遮ったり反論してはいけません。
クレームの内容によっては反論したくなることもあるかと思いますが、お客さんが話をしている途中で遮ったり反論したりしてしまうと、より不快な思いをさせてしまいかねません。
話を遮ったり反論したことに怒りの矛先が向いてしまうケースもあります。
怒りを一旦吐き出してもらえばお客さんの感情も落ち着き、こちらの主張も聞き入れてもらいやすくなるので、まずは最後まで話を聞くようにしましょう。
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飲食店におけるクレームへの返金対応のポイント
飲食店では、「注文したメニューと異なる料理で伝票を切られた」などの理由で返金対応を求められることがあります。
お客さんがレシートを持っている場合、お客さんの注文と異なる内容で代金を請求していないという明確な証拠がない限りは店側が差額分の返金に応じるべきです。
ただし、同じような手口で何度も差額の返金を要求してくる悪意のあるお客さんもいるので、返金対応の情報は従業員の間でしっかりと共有しておくようにしましょう。
また、レシートのない返金要求には対応する必要はありません。
レシートや領収書は店舗側が料金を支払ってもらったことを証明する書類です。
そのレシートや領収書がない場合、そのお客さんが店舗を利用したこと自体を証明することができないため返金する義務も生じません。
レシートを持っていない人からの返金要求には毅然と対応するようにしましょう。
まとめ
飲食店で発生しやすいクレームと、穏便に処理するために知っておきたいクレーム対応のポイントについて紹介してきました。
接客業にクレーム対応はつきものです。
「クレームなんてそうそう発生しないでしょ」と安易に考えていると、実際に発生してしまったときに正しく対応できません。
最悪の場合、対応を間違えてより大きな問題に発展させてしまう可能性もあります。
クレーム対応は決して簡単ではありませんが、今回紹介した4つのポイントを抑えておけば適切に対応できるようになるはずなので、しっかりと把握しておくようにしましょう。