飲食店の中には海外のお客さんが頻繁に来店するような店舗もあります。
そういった店舗を運営する上で悩ましいのが英語メニューについてではないでしょうか?
英語メニューがあると、便利な上に利便性も高まるので用意した方がいいということは理解していても、手間を考えるとなかなか作成できずにいるという店舗も多いかと思います。
そこでこの記事では、飲食店の英語メニューについて紹介していきます。
- 英語メニューを作成するべき理由
- 実際に英語メニューを作成するときに意識するべきポイント
について紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店が英語メニューを作成するべき理由
英語メニューの作成は時間も手間もかかりますが、それでも「作成するべき」だと言われるのは、それなりの理由があるからです。
飲食店が英語メニューを作成するべき主な理由としては、以下の3点があげられます。
- 外国人観光客が増えてきているから
- スタッフの負担を減らすため
- トラブルを避けるため
それぞれの理由について詳しく解説していきます。
外国人観光客が増えてきているから
新型コロナウイルスの影響によって今は落ち着いていますが、2019年ごろまで日本には年間3,000万人以上の外国人観光客が訪れていました。
新型コロナウイルスが流行しなければ、2020年の訪日外国人の数は4,000万人を超えていたと言われているほど、外国人にとって日本は人気の旅行先となっています。
日本へ旅行でやってくる外国人観光客が増えると、当然飲食店を訪れる外国人も多くなります。
海外からの観光客は必ずしも日本語を話せるわけではなく、むしろ日本語を話せる人の方が少ないでしょう。
そういった日本語の話せない外国人観光客のニーズを満たして日本を満喫してもらうためにも、英語メニューが欠かせないと考えられます。
スタッフの負担を減らすため
日本語がわからないお客さんは日本語のメニューを理解できないので、スタッフに質問してどういった料理なのか確認するしかありません。
その場合、海外のお客さんが来店するたびにそういった要望に対応しなくてはいけないため、スタッフにとって大きな負担になります。
スタッフの少ない店舗や英語の理解できるスタッフが在籍していない店舗であればなおさらです。
英語メニューを用意しておけば、スタッフの対応が必要になる機会を大幅に減らせるため、スタッフの負担の軽減にもつながります。
トラブルを避けるため
海外のお客さんの中には日本語が読めないことを気にせずイメージやフィーリングだけで注文する方も結構な割合でいます。
その場合、提供した料理がその人の口に合えば問題ありませんが、口に合わなかったりイメージと異なる料理を提供してしまった場合、トラブルに発展してしまいかねません。
当然その際も英語で対応しなくてはいけなくなってしまうので、問題を解消するのに時間も手間もかかります。
英語のメニューを用意しておけば、日本語がわからないお客さんでもどういった料理かきちんと理解した上で注文できるようになるので、こういったトラブルを未然に防げるようになります。
飲食店が英語メニューを作成するときに意識するべき6つのポイント
外国からのお客さんのニーズに答える上でなくてはならない英語メニューですが、ただ作成すればいいわけではありません。
英語メニューを作成するのであれば、作成する上で重要になるポイントを押さえておく必要があります。
実際に英語メニューの作成に着手する際に意識するべき主なポイントとして、6点があげられます。
- 料理の写真を掲載する
- 番号を掲載する
- 料理の説明文も記載する
- 料理によっては食べ方も記載する
- 原材料や成分表、アレルギー情報を掲載する
- 宗教や慣習に配慮したメニューを作成する
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
料理の写真を掲載する
英語メニューを作成する上で真っ先に取り入れるべきなのが、料理の写真です。
それぞれのメニューに実際の料理の写真を添えておけば、「イメージしていたのと違う」といった内容のクレームやトラブルを未然に防げるようになります。
番号を掲載する
いくら英語で表記されたメニューを用意しても、スタッフがお客さんの注文を聞き取れなくては意味がありません。
きちんと聞き取れていないにも関わらず、なんとなくで注文を通したりしてしまうと、大きなトラブルに発展してしまう可能性もあります。
そういったトラブルを避けるために取り入れたいのが、メニュー番号の掲載です。
英語メニューに番号を掲載して番号で注文してもらうようにすれば、聞き取りのミスを未然に防げるようになります。
料理の説明文も記載する
メニューに料理名を掲載しているだけでは、想像していたものと違うといったトラブルが発生してしまう可能性があります。
そこで、英語メニューを作成する際は簡単な料理の説明文もあわせて記載するようにしましょう。
どういった料理なのかについて解説する説明文を記載しておけば、イメージ違いによるトラブルはほとんど発生しなくなります。
料理によっては食べ方も記載する
外国人観光客の中には「和食を食べたことがない」という方もいます。
そこでメニューに取り入れておきたいのが、食べ方に関する記載です。
その料理を食べるのが初めての外国人でも迷わず正しい方法で料理を楽しめるよう、写真等を交えながらその料理の食べ方を解説してあげることで、お客さんの満足度も高まります。
また、食べ方に関する質問が減り、スタッフの負担の軽減にもつながるので、ぜひ取り入れてみましょう。
原材料や成分表、アレルギー情報を掲載する
より外国人に優しい英語メニューを目指すのであれば、それぞれの料理に使用されている原材料や成分表、アレルギー情報を掲載するのがおすすめです。
原材料や成分表の記載は手間がかかるので、余裕があればで問題ありませんが、これらの情報を記載しておくことで、より利便性の高い英語メニューを用意できるようになります。
アレルギー情報については、生死に関わるトラブルを避けるためにも優先的に掲載するようにしてください。
宗教や慣習に配慮したメニューを作成する
海外の国の中には、宗教や慣習によって口にしてはいけないものが決められているような国もあります。
例えば、イスラム教を信仰している人には豚肉やアルコールを提供してはいけません。
ヒンドゥー教は豚肉だけでなく肉類全般を禁止している宗教です。
こういった決まりや慣習がある国の人に、禁止されている食品や飲料を提供してしまうとトラブルに発展する可能性があります。
トラブルを避けるためにも、国土交通省の「多様な食文化・食習慣を有する外国人客への対応」のページを参考にしながら必要な情報を記入したメニューを作成するようにしましょう。
参考:https://www.mlit.go.jp/common/000059331.pdf
まとめ
飲食店の英語メニューについて紹介してきました。
外国人観光客はもちろん、海外からの労働者など、これから更に増えることが予想されている海外のお客さんのニーズに答えられる飲食店を作る上で英語メニューは欠かせません。
このままグローバル化が進んでいけば、飲食店には英語メニューが用意されているのが当たり前になる未来もそう遠くないでしょう。
しかし、日本の飲食店はまだまだ英語メニューを取り入れていない店舗が大半なので、英語メニューを取り入れるのであれば今がチャンスです。
英語メニューを取り入れることで他の店舗との差別化につながるので、ぜひ導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか?