携帯電話はスマホが主流となってから、かなりの年月が経ちました。それに伴いSNSを利用するユーザーも並行して増えています。
そのような中でも圧倒的な利用者数を誇っているのが、「LINE」です。通話やチャット機能だけにとどまらず、飲食店の広告などを目にしたことがある方も大勢いらっしゃるでしょう。
この記事ではLINEを利用した飲食店の集客方法について詳しく説明しています。
LINEの特徴やメリットデメリットについても説明していますので、『LINEをぜひ集客に利用してみたい』とお考えの方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
LINEの特徴
LINEについて、とくに集客に利用できる特徴は次の通りです。
公式アカウントが無料で作成できる
LINEでは、個人事業主や企業がビジネス利用できる「公式アカウント」の作成ができます。初期費用は無料で作成できる上に、さまざまな集客に使えるサービスが利用できます。
登録も非常にシンプルですので、取り組みやすいというのもポイントです。
さまざまなサービスが利用できる
公式アカウントを作成することで、集客に利用できる下記のサービスが利用できます。
- プロフィール:店舗やサービスに関する情報が掲載できる
- メッセージ配信:友達登録したユーザーへメッセージを配信できる
- ショップカード:LINEでポイントカードの発行管理ができる
- クーポン:クーポンを作成してメッセージで配信できる
- チャット:問い合わせに対して直接コミュニケーションが取れる、自動応答も可能
- リッチメニュー:LINEの画面下部に大きくメニュー表示できる
- ステップ配信:あらかじめ設定した日程でメッセージを自動配信できる
飲食店などの店舗にとっては、集客に有効で魅力的なサービスが充実しています。
LINE集客のメリットとデメリット
LINEの集客には、メリットもデメリットも存在します。
メリット:ユーザーが多い
ユーザー数の多さは、集客をする上で非常に重要です。
2020年9月末において、日本国内の利用者は約8,600万人となっており、SNSの中では一番多い利用者数となります。
年齢別で見ても20代30代の利用者は90%を超えており、60代でも52.8%と半数以上と、国民的に使われているSNSだといえるでしょう。
母数が多いと宣伝効果も高くなるため、集客に非常に向いていると考えられます。
参照元:https://www.linebiz.com/sites/default/files/media/jp/download/LINE%20Business%20Guide_202101-06_summary_v1.pdf
メリット:情報を直接届けられる
LINEでは、特定の顧客に対して直接メッセージを送ることが可能です。
登録されているユーザーに対して一斉にメッセージ配信ができますし、ターゲットを絞った顧客に対してもメッセージを配信できます。
不特定多数に向けての情報発信ではないため見てもらえる確率が高くなり、効果的な宣伝活動ができます。
メリット:使える機能が多彩
先ほど説明した通り、LINEには多彩な機能が備わっています。
ここであげた以外にも業種に特化した機能や広告も打てるので、自店の使いやすいような形でLINEを利用できるメリットがあります。
デメリット:登録してもらわないと情報を届けられない
LINEでは、登録されていない方への情報提供はできません。LINEでは不特定多数向けの情報発信ができず、ユーザー以外は内容を見られない仕組みとなっています。
また友達登録してもらえないとメッセージの送信ができず、タイムライン以外でのアプローチができないという面もあります。
デメリット:件数が増えると有料になる
LINE公式アカウントは、無料で作成可能です。ただし無料では使える内容に制限があります。
無料で使える「フリープラン」の場合、1ヶ月で送信できるメッセージは1,000通までです。
一方、有料プランの「ライトプラン」では月額5,000円で15,000通まで、月額15,000円の「スタンダードプラン」になれば45,000通までメッセージの送信ができるようになります。
登録ユーザーが増えると、無料プランの制限内でメッセージ数を抑えるのが難しくなるのがデメリットといえます。
LINEで集客する際に絶対にやるべきこと
LINEで集客を成功させるためには、次にあげる4つのことを念頭に進めるとうまくいきます。
①登録してもらうための施策を考える
LINEでの集客を考える上では、登録してもらうのが最優先課題となります。いくらよい内容の公式アカウントを作成したとしても、登録してもらわなければ情報提供できません。
まずはどうやって登録してもらうかの施策を考えましょう。
- 店内にて接客時やPOPで告知する
- ホームページで告知する
- 他のSNSからの流入を狙う
- LINEのタイムラインへ投稿する
合わせて、登録してよかったと思われるようなサービスも必要となります。
- クーポンや割引券の発行
- ショップカードの発行
- 友達の紹介で特典がある
ある程度の登録者がいなければ、宣伝効果も見込めません。とにかく最初は登録を増やすことに尽力しましょう。
②ていねいな顧客対応を心がける
LINEは個別にメッセージを送る機能のあるSNSとなっています。
一度来店していただいたお客さまに対して、チャットなどでフォローしてコミュニケーションを取るのが大切です。そのコミュニケーション中に得られる情報から、店舗の改善点が見つかるケースもあります。
ていねいに対応してもらったお店には、再度訪れたくなるものです。登録してもらったらあとはほったらかし、ということのないようにしましょう。
③ターゲットを明確にする
ある程度登録者が増えたら、集客するターゲットを明確にしていきます。
やみくもにメッセージを配信しても、ターゲットが明確になっていなければ効果が薄くなり、費用対効果が見込めません。
年齢、性別、居住エリア、登録からの日数などの情報を分析して、顧客の属性にあったメッセージを送ると効果的に集客できます。
④必要に応じて広告を出す
LINEの登録者は2022年3月時点で約9,200万人となっており、非常に多いのが特徴です。ユーザーが多いと、広告を見てもらえる確率が単純に増えます。
またLINEの広告は
- 年齢
- 性別
- 居住地域
- 興味関心
などの細かいターゲティングができるので、属性に合わせた効果的な宣伝が可能です。
予算については自由に設定できるので、少額でも広告を出せます。しかしながら確実に効果を求めるには、最低でも月に数万円の予算を見込んだ方がよい結果となるでしょう。
予算が許せば、ある程度費用をかけて広告を出すのは非常に効果的であるといえます。
LINE公式アカウントの作り方
ここで、LINEの公式アカウントの作成方法を簡単に説明しておきます。
①アカウントを作成する
「LINE公式アカウント」のホームページへアクセスし、アカウントを作成します。画面の指示に従って入力を進め、確認ボタンを押せば完了です。
②基本情報を編集する
LINEのアカウントには、「認証済みアカウント」と「未認証アカウント」があります。
認証済みアカウントには審査がありますが、申し込んでおいて損はありませんので申込しておきましょう。
アカウントの設定画面でプロフィールや画像など、店舗に関連する基本情報をすべて入力し、運用できる状態にまで仕上げておきます。
あいさつメッセージや応答メッセージも登録できますので、合わせて入力しておくとよいでしょう。
③テスト送信する
登録した公式アカウントが正しく設定できているかどうか、運用前にテストしておくのがおすすめです。
店舗アカウントとは別の個人アカウントを友達登録し、正常に送信できるかテストしてみましょう。正常に送信されるのが確認できれば、アカウントの公開設定を実施します。
「検索結果で表示」を表示に切り替えれば、アカウントの開設は完了となります。
LINE集客の成功事例
LINEにて集客を実施している企業は多く、成功事例もたくさんあります。その中から3つの成功事例をピックアップして紹介します。
スターバックス
アメリカで開業した世界最大のコーヒーチェーン店が「スターバックス」です。2022年5月現在で友達登録は約826万人です。
メッセージ配信ではクーポンやショップカード・商品紹介がメインとなっており、メッセージから詳細が見られたり登録ができたりと、使い勝手と見やすさが考慮されています。
トーク画面の下部に表示されるリッチメニューも使い勝手が考慮されており、すぐに商品購入ができるようにサイトへの誘導がなされているのも特徴的です。
あらゆる部分でユーザーファーストが徹底されており、利用しやすさに重きを置かれているのがよくわかるアカウントとなっています。
ぼてじゅう
「ぼてじゅう」はお好み焼きのチェーン店として、国内外に約100店舗を展開しています。友達登録は、LINE公式アカウントを開設している51店舗で約49万人です。
ぼてじゅうの施策の特徴として、ユーザーコミュニケーションに重きを置かれているのがあげられます。
若年層の顧客獲得のためにLINEを積極的に活用し、ユーザーの生活サイクルに合わせたメッセージを月に2回配信。
キャンペーンやクーポンなどメリットの感じられるメッセージを配信して、来店を促しました。
結果としてコロナ禍でも高いクーポン利用率を誇り、顧客の囲い込みに成功しています。積極的なコミュニケーションが来店につながった、典型的な例といえるでしょう
熊本ラーメン 黒亭
熊本県内に4店舗を展開するラーメン店です。店舗だけではなくネット販売も手掛けており、両方の販売促進にLINEを有効活用しています。
特徴的なのは、LINE広告の運用です。毎月2万円から3万円の予算で運用を続けた結果、登録者が500名から3,700名へと10カ月で7倍以上に増加しています。
顧客の生活サイクルに合わせたメッセージ配信も、効果的な施策です。
月に4〜5回、週末や休日の購買を狙った時間での配信をされており、販売促進に効果が出ています。
顧客のメリットに重点を置いた、LINEの特徴を活かした事例といえるでしょう。
まとめ
LINEは、今や国民的なSNSとなっています。LINEを効果的に使うことで、集客に生かせるのは間違いないといえます。
とくに飲食店にとっては使いやすい機能がたくさんあり、導入時には無料で使えるのも魅力的です。
LINEを積極的に利用しながら他のSNSも並行して利用することで、さらなる集客を見込めるでしょう。