飲食店を開業する際に製作する「看板」。
看板は飲食店にとって欠かせないアイテムの一つで重要な集客ツールですが、その効果を最大限発揮できていない店舗はたくさんあります。
しかし、せっかく製作・設置するのであれば、効果を最大限活用したいものです。
そこでこの記事では、飲食店の看板について紹介していきます。
看板の役割や種類、看板作りのポイントについて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店における看板の役割
看板を用意する際、まず理解しておきたいのが飲食店における看板の役割についてです。
飲食店における看板の主な役割として、2つがあげられます。
- お客さんの興味をひく
- 店舗の場所を知らせる
それぞれの役割について詳しく解説していきます。
お客さんの興味をひく
最近はスマートフォンで事前に情報を調べて店舗を決める人の割合が多くなってきていますが、行きあたりばったりで店舗を決めるという人も少なくありません。
そういったお客さんに対して効果を発揮してくれるのが看板です。
街に出て自分の好みに合う飲食店を探しているお客さんの注意を看板でひくことができれば、来店につながる可能性があります。
看板は、もともと来店する予定のなかったお客さんの興味をひきつける集客ツールとして活躍してくれるのです。
店舗の場所を知らせる
いくらわかりやすい場所にある店舗でも、看板が出ていないと店舗の場所を明確に把握することはできません。
複数の店舗が混在している繁華街などに出店する場合であればなおさらです。
仮にお客さんが店舗を見つけることができたとしても、看板が出ていないと「そのお店が自分が探しているお店である」という確証が持てず、入店せずに帰ってしまう可能性があります。
建物の外壁から突き出る形で設置される袖看板など、看板の種類によっては遠くからでも見つけることができ、店舗の場所を見つけられずに困っているお客さんに対して店舗の場所を知らせるという役割もあります。
飲食店が導入できる看板の種類
ひとくちに「看板」と言っても、その種類は一つだけではありません。
飲食店が導入できる主な看板の種類としては、6つがあげられます。
- ファサード看板
- 壁面看板
- 袖看板
- スタンド看板
- ウィンドウ看板
- A看板
それぞれの看板について詳しく解説していきます。
ファサード看板
建物を正面から見た外観部分を意味する「ファサード」。
ファサード看板は、その名のとおり店舗の正面に設置されている看板で、飲食店におけるメインの看板になります。
壁面看板
店舗が入っている建物によってはファサード看板を設置するのが難しいケースもあります。
そういった店舗で取り入れられるのが、建物の壁面に設置する壁面看板です。
また、ファサード看板と壁面看板を両方設置して宣伝力を高める場合もあります。
袖看板
繁華街にある飲食店から人気が高いのが、袖看板です。
繁華街は建物が密集しているため壁面看板が目立たず、複数店舗が入る商業ビルではファサード看板を設置することができません。
袖看板であれば建物の外壁に支柱を設置し、その支柱の先に看板を設置するため、看板が建物の外壁から突き出すようになり、お客さんの目にも止まりやすくなります。
実際に、繁華街や飲み屋街などにある飲食店ではこの袖看板が採用されています。
スタンド看板
ここまで紹介してきた建物の壁に設置するタイプの看板とは異なり、壁を使用せずに設置可能なのがスタンド看板です。
建物の壁に看板を設置できない場合に取り入れられることが多く、店舗敷地内の入口付近や歩道に設置されます。
壁に設置する看板は離れた場所からの視認性が高いですが、店舗に近づいた場合、見上げなくてはいけません。
一方、スタンド看板は地面に設置するので、見上げる必要がなく自然な目線であっても看板を認識してもらえます。
この特性を活かし、メニューやキャンペーンなどを掲載するケースも多くなっています。
ウィンドウ看板
スタンド看板同様、外壁に看板を設置できない店舗で導入される傾向にあるのがウィンドウ看板です。
その名のとおり、店舗の窓に設置するタイプの看板になります。
ポスターのようなものだけでなく、店舗名を一文字ずつステッカーにして設置されることもあります。
集客効果を高める目的で、外壁に設置する看板と併用するケースもあります。
繁盛する飲食店の看板に共通する5つの特徴
あまり知られていませんが、繁盛する飲食店の看板にはいくつか共通点があります。
繁盛する飲食店の看板の主な共通点として、5つがあげられます。
- 視認性が高い
- パッと見ただけで店の特徴が伝わる
- ゴチャゴチャしていない
- 気づいてもらえる場所に設置されている
- 他店舗の看板に埋もれていない
それぞれの共通点について詳しく解説していきます。
視認性が高い
実際に街に出て飲食店の看板をチェックしてみると、飲食店の看板には視認性の高いものと低いものがあることがわかります。
これから看板を製作するのであれば、視認性の高い看板を製作したいものです。
視認性が低いと、お客さんの興味を引くことができず、お店の場所を瞬時に知らせることもできません。
あえてアーティスティックなフォントを採用するなどしてお客さんの興味をひくこともできますが、お店の雰囲気や特徴にマッチしていなければ入店前後でイメージが異なり、お客様満足度に影響があるかもしれません。
看板を設置する本来の目的を見失わず、しっかりと視認できるかどうか意識して製作するようにしましょう。
ゴチャゴチャしていない
看板に記載されている情報が多くゴチャゴチャしていると、本当に伝えたいことが伝わらずお客さんを混乱させてしまうかもしれません。
看板は宣伝するためのツールなので、つい情報を詰め込んでしまいたくなりますが、情報が多すぎてゴチャゴチャした看板は避けるべきです。
店名やメイン料理、店舗のジャンルなど、特に伝えたいポイントのみを記載し、なるべくシンプルな看板を製作するようにしましょう。
気づいてもらえる場所に設置されている
どれだけ優れた看板を製作したとしても、道を歩いているお客さんに気づいてもらえなくては意味がありません。
そのため、「どこに設置するか」も重要になります。
お店の立地によっては設置できる場所が限定される場合もあるかと思いますが、看板はなるべく目立つ場所に設置するようにしましょう。
外壁に設置する看板と地面に設置する看板、ウィンドウ看板など設置場所が異なる看板を併用し、よりお客さんに気づいてもらいやすくなるようにするのもおすすめです。
他店舗の看板に埋もれていない
看板を製作する際は、他店舗の看板に埋もれてしまわないように意識することも大切です。
例えば、白を貴重とした看板ばかりが並んでいるような地域で、同じ白い看板を設置してしまうと他の店舗の看板と同化して、看板が目立たなくなってしまいます。
店舗の雰囲気や自治体のルールによって派手な看板を製作できない場合もありますが、文字の色やデザインを変えるなどして、なるべく他の店舗の看板に埋もれてしまわないようにしましょう。
入店してもらうには店舗の外観や雰囲気も重要
先述したポイントを意識して看板を製作すれば集客に役立つ看板を製作できますが、良い看板ができたとしても必ずお客さんが増えるわけではありません。
実際に入店してもらうには店舗の外観や雰囲気も重要になります。
看板に興味をひかれて店舗の目の前まで来てみたものの、外観に興味をそそられなかったり、入店しにくい雰囲気が漂っていると、お客さんは立ち寄らずに去ってしまうでしょう。
そうなると大きな機会損失になってしまうため、看板だけでなく、店舗の外観や雰囲気づくりにも意識を向けるようにしましょう。
飲食店が看板を設置のするときに気をつけたい法律と許可
飲食店の看板を製作する際に気をつけたいのが、看板の設置に関する法律と許可取りについてです。
飲食店などの店舗に設置する看板は「屋外広告物条例」によってルールが決められています。
これは、看板の色や大きさなどに関するルールで、街の景観を壊さないようにする目的で制定されているものです。
ルールは各自治体が定めているため、実際に看板を製作する際はそれぞれの自治体の基準を満たしたものを製作するようにしましょう。
また、看板を設置するには自治体に許可をとる必要もあり、許可を得ずに勝手に設置すると罰せられてしまう可能性もあるので注意してください。
まとめ
飲食店の看板について紹介してきました。
看板はそれほど重要度の高くない設備というイメージが強く、「とりあえず用意するもの」と軽視されてしまいがちです。
しかし、飲食店にとっての看板は重要な集客ツールで、決して軽視するべきものではありません。
繁盛する飲食店の看板には共通する点が多く、それらのポイントを意識して看板作りをおこなえば、集客ツールとしての役割をしっかりと果たしてくれるはずです。
飲食店を開業したいと考えているのであれば、ぜひ意識しながら看板製作に取り組んでみてください。