「飲食業界に興味があるけど、正社員で働くのは大変そう…」とお考えではありませんか?
実際にアルバイトやパートで働いた経験があると、正社員で働くことは難しそうに感じる方が多いのではないでしょうか。
しかし、飲食店で正社員になることは、デメリットばかりではありません。飲食店で正社員になれば、多くのメリットを受けることが可能です。
本記事では、飲食業界で正社員になって働くことのメリット・デメリットを紹介しています。
「飲食店で働いているけど、正社員を目指そうか悩んでいる」「飲食業界で働いてみたい」という方は、ぜひご覧になってください。
飲食店で働くことのメリット
飲食店で働くことにはさまざまなメリットがあります。どんなところにメリットを感じて働くかは人それぞれですが、「人との関わりにやりがいを感じて働くことができる」という点は大きいでしょう。
お客様から感謝の言葉をかけてもらえたり、上司から頑張っているところを認めてもらえたりと、人と密接に関わる飲食店だからこそ味わえるやりがいがあります。
飲食店ではお客様や従業員などの多くの人に囲まれて業務をこなすわけですが、そうした人と人との関わりを通じて、自分自身のスキルアップにつなげることができるのです。
スキルを高めることができれば現在の仕事に活かせることだけでなく、将来を見据えたときに大きな力を発揮できるでしょう。
飲食店で正社員になることのメリット
飲食店で正社員になることにはどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは具体的なメリットについていくつか紹介します。
安定した月給で働ける
正社員になれば、アルバイトやパートに比べて安定した給料で働くことができます。
厚生労働省が発表した飲食業、宿泊サービス業に関する統計データでは、35歳〜39歳男性の平均年収は284万円となっています。女性の年齢別の平均年収は25歳以降で大きな変動はなく、およそ230万円前後です。
一方、飲食業界で働くアルバイトやパートなどの短時間労働者の平均時給は1,252円となっています。
男性の平均年収を超えるには、月186時間以上の就労が必要です。
以上の点を踏まえても、アルバイトやパートで正社員の年収を超えるのはそう簡単ではないといえるでしょう。
また、正社員になれば給料の面で安定し、ボーナスや福利厚生などが受けられます。アルバイトやパートとは境遇の面で差が出ることからも、整った環境で働けるというのは大きなメリットではないでしょうか。
スキルが身につく
飲食店で働きながらスキルアップができるという点は大きなメリットといえるでしょう。
特に調理スキルは業務だけでなく、日常生活でも役に立ちます。
飲食の現場では、業務を円滑にこなすための効率のいい動き方も身につくので、実生活で炊事や洗濯、掃除などの家事に活かせることもあるでしょう。
また、正社員になると飲食店の業務全体を把握したり、他店舗に派遣されたりといったことがあります。
幅広い業務をこなすことで自然とスキルアップにつながり、広い視野を養うことができます。
人脈が広がる
人と人が密接に関わる飲食店では、多くの人脈を広げることができます。
飲食店ではアルバイトやパートで働く人が多く、主婦さんや学生さんをはじめ、さまざまな立場の人たちと関わることが可能です。
飲食業は一般的な企業よりも、さまざまな年代の人や、さまざまな立場の人に出会う機会が多いといえます。
例えば、主婦の方であったり、学生さんであったりと、働きながら多様な価値観に触れることができるのは、飲食店で働くメリットです。
そこで得た出会いが将来的に仕事上の付き合いにつながることも十分に考えられ、気の合う友人ができることもあるでしょう。
一般的な企業では、あまり出会いの場に恵まれないことで悩む人もいます。一方、飲食店ではたくさんの人とつながることができるため、人脈を広げやすいといえるでしょう。
責任のある立場になれる
正社員になり経験を積めば、店長などの責任のある立場を任されることが一般的です。
責任のある立場になれば、部下を束ねるマネジメント業務に携わることができ、人材育成のスキルを学ぶことができます。
一般的な企業では、マネジメント業務に就くにはそれなりの年月が必要です。
しかし、飲食業では比較的早い段階でマネジメントを任されることが多いので、早くから人材育成の経験が積めます。
店舗運営に携われる
将来、自分で店舗を経営したいと考えたときに、飲食店で店舗運営に携わった経験があれば大きな強みとなります。
店舗の仕入れ管理や売上管理などの経験があれば、実践的なノウハウとして役立ちます。
店舗経営で学んだ知識やスキル、マネジメント経験がある状態とない状態では、将来自分のお店を持つ際のスタート地点にかなりの差が生じるでしょう。
今から将来を見据えてさまざまな業務に携わっておくと、のちにスキルや経験が活きる場面が出てくるはずです。
人として成長できる
人として大きく成長できるというのは、飲食店で正社員として働く大きなメリットです。
飲食店ではスキルアップできるチャンスがたくさん転がっています。多くのことを経験できるのは、飲食店で正社員として働くことの強みといえるでしょう。
また、人との関わりが多い飲食店だからこそ人間関係の中で学べる点も多く、良い刺激となります。
店舗に来店するお客さんや従業員など関わる人々が変動する職場だからこそ、自分自身が成長するきっかけをつかめるのです。
飲食店で正社員として働くデメリット
次に、飲食店で正社員として働くデメリットを紹介します。
拘束時間が増える場合も
アルバイトやパートの働き方に比べて、正社員は責任を伴う働き方です。そのため、人員が不足してしまったときにはフォローに回らなければならないケースも出てきます。
もちろん、残業の有無やどれくらいの拘束時間が増えるのかについては、企業や店舗の特徴にもよります。
しかし、飲食店の特色上、残業をゼロにするというのは難しいことかもしれません。
店舗によっては土日休みが取りづらい
飲食店で働くデメリットとして、土日休みが取りづらいという点が挙げられます。
一般の企業では土日休みが一般的です。しかし、飲食店は土日こそがかき入れ時であり、休みの日に外食を楽しむ家族連れなどが多く来店します。
なかなか土日に休みが取れないため、せっかくの休日に友人や知人と予定が合わせづらいという問題もあります。
とはいえ、土日に休みが全く取れないかといえばそうではありません。
- 有給休暇を取得する
- 交代で休みを取る
- 人員を確保する
- シフトを調整する
- 店舗運営の体制を整える
などさまざまな方法があります。
時間に縛られない働き方も実現可能
飲食店で働くことに対して「時間が拘束されて大変そう」というイメージを抱く人も少なくないのではないでしょうか。
店舗運営を整える、もしくは人員を確保したり、シフトを調整したりと工夫することで時間を確保することも可能になります。
また、仮に自分が店を空けていても業務が円滑に回り、さまざまな状況に対応できる環境を整えておくことが重要です。
管理者がいなければ回らない現場にはゆとりがありません。現場に余裕を持たせておくことで、自分や他の従業員も働きやすい環境となるのです。
2019年には「働き方改革法案」が施行され、労働基準法や労働安全衛生法などの労働に関わる法律が見直されています。
残業時間は月45時間の上限が定められ、有給は規定に則って労働者に取得させなければならなくなりました。
労働者を無理に働かせてはならないという法案が国によって定められていることもあり、飲食業界を含む企業全体が働きやすい環境に近づいています。
働き方改革への取り組みを行っている企業の事例を紹介します。
働き方改革への取り組み例「株式会社スープストックトーキョー」
「株式会社スープストックトーキョー」は都会に住む人たちに食べるスープを提供している企業です。
働き方改革実施前は、休みが取りづらく、残業が多いことが辞める理由に挙げられているような状況でした。
そのため、友達にお店を紹介することはできても、仕事の紹介はしないという率直な意見が聞かれました。
働き方改革の取り組み内容は以下の通りです。
- 年間120日休むと宣言
- 社員の副業・兼業を認める
- 時短勤務を育児や介護以外の理由でも使えるように
こうした取り組みにより、「株式会社スープストックトーキョー」は社員が生き生きと働ける環境へと変わっていきました。
参照元: 働き方改革特設サイト | 厚生労働省
将来、働き方改革により「飲食店で働くのは大変」というイメージを覆す日がくるかもしれません。
自分のライフワークバランスに合った働き方も、工夫次第では十分可能であるといえるでしょう。
まとめ
飲食店で正社員として働くメリット・デメリットについて紹介しました。実際に飲食店で正社員として働くイメージはできたでしょうか?
正社員になっても工夫次第で自分の理想とする働き方が可能です。
飲食店で正社員を目指そうか悩んでいるという方は、ぜひ本記事の内容を参考にしてみてください。