フランチャイズ事業を立ち上げて加盟店を募る際、作成しなくてはならないのが「研修カリキュラム」です。
本部が作成するべき研修カリキュラムには「開業前研修」と「開業後研修」の2つがあります。
ただ、「具体的にどういったカリキュラムを作成すればいいのかがわからない」と、頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか?
この記事では、企業がフランチャイズ本部を立ち上げる際に作成する研修カリキュラムについて紹介していきます。
- それぞれの研修の概要
- カリキュラムを作成するときに意識するべきポイント
などについて紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
フランチャイズの開業前研修とは
加盟店が店舗を開店する前に加盟店に対して本部がおこなうのが、「開業前研修」です。
ここでは、開業前研修をおこなう理由と開業前研修の内容について解説していきます。
開業前研修をおこなう理由
開業前研修の主な目的は、加盟店に店舗運営の基礎やノウハウを習得してもらうことです。
加盟者の中にはビジネスに取り組むのが初めてという方もいれば、その業界での経験がない方もいます。
また、ビジネスや業界での経験があったとしても、加盟するフランチャイズでの具体的な業務内容はノウハウまでは把握していません。
開業前研修を通して具体的な業務内容やノウハウを学んでもらい、加盟者のみで店舗を運営できるような状態になるまで教育を行います。
教育不足によってフランチャイズ店でのサービスの質が低下すると、本部の評判にも影響が出る可能性もあるので、評判の低下やクレームを防ぐためにも開業前研修の内容を充実させる必要があります。
開業前研修の内容
開業前研修の内容はそれぞれのフランチャイズによって異なりますが、飲食店のフランチャイズの場合は、以下について教育していきます。
- 本部の経営理念
- 店舗運営の基礎知識
- 基本的なオペレーション
- 従業員の育成
開業前研修は加盟者を対象に、短い場合で10日ほど、長い場合だと1ヶ月ほどかけておこなわれます。
フランチャイズの開業後研修とは
フランチャイズ本部は加盟店が開業した後にも研修をおこなうことがあります。
それが、「開業後研修」です。
ここでは、開業後研修をおこなう理由と開業後研修の内容について解説していきます。
開業後研修をおこなう理由
開業後研修はサービスの質を安定させたり、向上させる目的でおこなわれます。
開業前研修でしっかりと時間を確保して研修するとは言え、10日~30日程度の事前研修では教えられることに範囲に限界があります。
その開業前研修で補えなかった部分を、開業後研修でしっかりと教育していくのです。
開業後研修の内容
開業後研修では、開業前研修の内容を振り返る形で研修がおこなわれます。
経営理念や店舗経営の基礎知識、基本的なオペレーションに必要なことをきちんと理解して高いレベルでお客さんに提供できているかを確認していきます。
もちろん、単に振り返りをおこなうだけではありません。
提供するサービスの質を高めるために新しい知識やノウハウを学んだり、店舗運営で得た情報を共有したりすることもあります。 開業後研修の日程は研修内容によって異なり、数時間で完結するものもあれば、数日かけておこなわれるものもあるでしょう。
また、料金についてもフランチャイズによって異なりますが、開業前研修とは異なり無料でおこなわれるケースも少なくありません。
フランチャイズ本部が研修カリキュラムを作成するときに意識するべき3つのポイント
フランチャイズ本部が開業前研修や開業後研修に向けてカリキュラムを作成する場合、以下の3点を意識しながら作成しなくてはいけません。
- 短期間で必要最低限のことを学べるカリキュラムであること
- 座学だけでなく実地研修も用意する
- テストを用意する
それぞれのポイントについて詳しく解説していきます。
短期間で必要最低限のことを学べるカリキュラムであること
フランチャイズ本部の研修には開業前研修と開業後研修がありますが、メインになるのは開業前研修です。
その開業前研修では事業をおこなう上で最低限知っておかなくてはいけないことを学んでいきますが、なるべく短期間で終わらせられるカリキュラムでなくてはいけません。
開業前研修を受けている間、加盟者は無収入の状態で、なおかつ研修費用として1日あたり1~3万円の費用を支払わなくてはいけません。
加盟者はそのことを念頭に開業費用を用意しますが、開業時はただでさえ費用がかかるものなので、なるべく負担を軽減させてあげたいものです。
「開業前研修で伝えるべきことかどうか」を意識し短期集中型のカリキュラムを作成するようにしましょう。
座学だけでなく実地研修も用意する
フランチャイズの研修は、加盟者だけで店舗を運営できるようにすることを目的におこなわれるものです。
その目的を達成するには座学だけでは不十分なので、実地研修も用意する必要があります。
例えば、飲食店のフランチャイズの場合、店舗運営や販促活動に対する考え方は座学だけでも十分に学ぶことができますが、調理や接客などのオペレーションを学ぶには実地研修が必要不可欠です。
「習うより慣れよ」という言葉もある通り、実際に体験してもらった方が身につきやすくなるため、研修カリキュラムには実地研修も含めるようにしてください。
テストを用意する
どれだけ研修カリキュラムの内容が充実していても、加盟者が理解できていない状態では意味がありません。
そのため、フランチャイズの研修カリキュラムはただ教えるだけでなく、テストを用意して加盟者の理解度をチェックする必要があります。
必要な知識やノウハウを理解できていない状態で店舗運営を始めてしまうと店舗で提供するサービスの質が低下し、悪評やクレームにつながってしまいかねませんので注意しましょう。
まとめ
企業がフランチャイズ本部を立ち上げるときに用意しておく必要がある研修カリキュラムについて紹介してきました。
研修カリキュラムは加盟店の成功や満足度に大きく影響するものです。
加盟店がしっかりと成果をあげ、なおかつ加盟者の満足度を高めることができれば、加盟を希望する事業主が増え売上も向上します。
そのためにも研修カリキュラムを用意する意義を理解し、内容を洗練させる必要があります。
今回紹介した3つのポイントをぜひ参考にしてみてください。