近年需要が高まっているデリバリー専門の飲食店。
今から飲食店を開業する場合の選択肢の一つになり得るデリバリー専門店ですが、デリバリー専門店としての開業を考えているのであれば、開業方法や商品の販売方法を把握しておかなくてはいけません。
この記事では、デリバリー専門店として飲食店を開業する方法について紹介していきます。
- デリバリー専門店をおすすめする理由
- デリバリー専門の飲食店を開業するときの流れ
- 商品の販売方法
などについて解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
デリバリー専門の飲食店とは
デリバリー専門の飲食店とは、店内で飲食できる従来のスタイルではなく、デリバリーでのみ商品を提供するスタイルの飲食店です。
店内で飲食できないため「店舗で食事を楽しみたい」というユーザーのニーズに応えることはできませんが、
- 広い店舗を借りなくて済むため賃料を抑えられる
- 多くのスタッフを必要としないため人件費が浮く
- 積極の手間が省ける
など、デリバリー専門店ならではのメリットは多いため、あえてデリバリー専門店でのか行を選ぶ人も少なくありません。
また、スタイルもさまざまで、完全にデリバリーのみで商品を提供している店舗もあれば、デリバリーとテイクアウトという2つのスタイルで商品を提供している店舗もあります。
さらに、店舗を設けずマンションの一室に厨房のみの事務所を構えるなどして営業をおこなう「ゴーストレストラン」と呼ばれるデリバリー専門店も存在します。
ゴーストレストランでおすすめのフランチャイズ
チキンワークス
株式会社サクプロ
アスリートからも支持される【健康で美しい身体作り】をサポートするヘルシーチキンFOODのFC開業!テイクアウトや宅配で売上構築がしやすいのも魅力!シェアリング型や商材販売型にもご対応させて頂きます!!
アサイー&ヘルシーサンド『808スタイル』
株式会社TGAL
【店舗・キッチンカーを運営中の方】又は【直近1カ月以内に開業を予定の方限定】 !!!! \ 月間売上486,410円の実績!/Uber Eats評価4.8!驚異のリピート率!人気のスイーツブランド
肉屋のハンバーグとガーリックライス
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<デリバリー向けに商品開発>30分後でもあたたかいハンバーグ業態!平均評価4.7の実績!低投資・低リスク・高収益化を実現!最短2週間で実施可能※UberEatsのエリア内で既存飲食店舗(営業許可)をお持ちの方が導入可能です!
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飲食店の開業にデリバリー専門店をおすすめする理由
これから飲食店を開業する人にデリバリー専門店がおすすめな最大の理由はその需要の高さにあります。
新型コロナウイルスが初めて日本で確認されて以降、未だに収束する兆しは見えてきません。
人との接触や感染リスクをなるべく避けたいという思いから、飲食店での食事を諦めたり制限したりしている人がほとんどです。
ただ、飲食店を必要とする人が減ったわけではありません。
そのため、外出しなくても飲食店のおいしい食事が楽しめるデリバリー型の飲食店に注目と需要が集中しているのです。
画像引用元:デリバリー - 調べる - Google トレンド
こちらはグーグルトレンドというツールで「デリバリー」が検索された数をグラフ化したものです。
新型コロナ感染が落ち着いていた年末のあたりは検索数が減っていますが、初めて緊急事態宣言が発令されて以降デリバリーへの需要が高まっていることがわかります。
このように、デリバリー専門飲食店は今の時代のニーズにマッチしているということがデータからも汲み取れます。
そのため、今飲食店を始めるのであれば、デリバリーに特化した飲食店をオープンさせるがオススメなのです。
デリバリー専門の飲食店を開業するときの流れ
これから飲食店を開業する方におすすめのデリバリー専門の飲食店ですが、実際に開業する際の流れは以下のとおりです。
- 出店計画を立てる
- 物件を探す
- 開業資金を用意する
- 店舗の内外装工事や設備の導入
- 必要な資格や許可の取得・届出、手続き
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 出店計画を立てる
飲食店を開業する場合、まず初めにおこなうのが出店計画の立案です。
デリバリー専門店であってもそれは変わりません。
- 販売する商品
- 店舗のコンセプト
- ターゲット
- 出店する場所
- 他の店舗との差別化ポイント
など、お客さんに選んでもらえる店舗を作るための計画を立てていきます。
ビジネスが成功するかどうかは、この出店計画によって決まると言っても過言ではありません。
コンセプトがターゲットに刺さらないと来店してもらえませんし、いくらコンセプトが素晴らしくてもデリバリーに対する需要のある地域に出店しなければ、利用は見込めなくなってしまいます。
また、販売する商品の選定をミスしてしまった場合も、その店舗が繁盛することはありません。
飲食店の開業には多額の資金が必要になるため、計画が甘かったからと言って簡単に新しい店を出店し直せるわけではありません。
もし計画を変更して、店舗を作り直すにしてもお金がかかります。
そのため、多少時間がかかったとしても、「これならイケる…!」と確信できる出店計画を練った上で開業に取り組むようにしましょう。
2. 物件を探す
出店計画の策定が完了したら、後はその計画に沿って出店準備を進めていきます。
次におこなうのは物件探しです。
出店計画で決めた地域で、希望の条件を満たす物件を探しましょう。
デリバリー専門店の場合、広さを必要としないため比較的物件は見つかりやすいはずです。
出店したい地域で事業所向けの物件に強い不動産に足を運び、きちんと条件を満たす物件を紹介してもらいましょう。
物件を探す上で一点注意してほしい点は、飲食店を開業するには内外装の工事や設備の導入が必要になるということです。
そのため、条件を満たす物件が見つかって内見するとなったときには、施工業者の方も一緒についてきてもらうようにしましょう。
そうすることで、こちらが希望する工事が行えるかどうかを確認した上で物件を契約することができます。
3. 開業資金を用意する
物件が決まったら、開業に必要な資金の用意を進めていきます。
デリバリー専門店の開業にかかる資金は店舗によって異なりますが、200〜600万円ほどかかると考えておくべきです。
設備にこだわったり、規模の大きな店舗になるとさらに多額の資金が必要になります。
また、開業後すぐにお客さんが集まり運営が軌道に乗るケースはまれです。
そのため、当分の運転資金についても用意しておく必要があります。
最低でも3ヶ月、可能であれば半年~1年程度の運転資金は確保しておくようにしましょう。
そう考えると、デリバリー専門店と言えど多額の開業資金を用意しなくてはいけないため、「すべて自己資金でまかなうのは難しい…」というケースも出てくるでしょう。
その場合は、銀行や信用金庫などの金融機関に融資してもらう必要があります。
ただ、銀行や信用金庫は実績のない人への融資にはシビアですし、利率も高めです。
日本政策金融公庫であれば良心的な利率で融資してもらえるので、まずは日本政策金融公庫での借り入れを検討してみてください。
4. 店舗の内外装工事や設備の導入
資金の調達が完了したら、開店のための店舗の内外装工事と設備の導入を進めていきます。
先ほど紹介したとおり、事前に施工業者に目星をつけておいて物件探しの段階から同行してもらうようにしておけば、内外装工事をよりスムーズに進められます。
開店に向けての準備は、内外装工事と設備導入が完了してからでないと進めることはできません。
内外装工事や設備導入後も、オペレーションの確認やスタッフの育成などやるべきことはたくさんあるため、開業の3ヶ月前までに完了させられるようスケジュールを組んでおきましょう。
5. 必要な資格や許可の取得・届出、手続き
開業の準備が整ったら、飲食店を開業するのに必要な資格の取得や届出、各種手続きをおこなっていきます。
飲食店を開業する前までにおこなうべき手続きや許可を取得する必要があるものとしては、
- 飲食店営業許可
- 防火管理者選任届
- 食品衛生責任者の選出
の、3つがあげられます。
食品衛生責任者に選出される人は資格が必要になるので、各自治体の食品衛生協会が実施している講習に参加し、資格を取得しましょう。
確定申告など税金に関する手続きのために必要な開業届は、開業してから一ヶ月以内に手続きをおこなえば問題ありません。
また、従業員を雇う場合は労災や雇用保険の手続きも必要になりますし、酒類を提供する場合は「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」の届け出も必要になります。
デリバリー専門の飲食店における商品の販売方法
デリバリー専門の飲食店を開業するのであれば、「どうやって商品を配達するか」についても考えておかなくてはいけません。
デリバリー専門の飲食店における商品の販売方法としては、
- フードデリバリーサービスを利用する
- 自前でシステムを用意する
- 電話で注文を受ける
という、3つの方法があげられます。
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
フードデリバリーサービスを利用する
デリバリー専門の飲食店での商品の販売方法として定番と言えるのが、フードデリバリーサービスを利用する方法です。
フードデリバリーサービスとは、飲食店で提供しているメニューを配達員がピックアップし、指定の配達場所に配達してくれる利便性の高いサービスです。
代表的なサービスとしては、「Uber Eats(ウーバーイーツ)」や「出前館」などがあげられます。
フードデリバリーサービスを利用する場合は出店者としてサービス登録をする必要がありますが、それ以外はあまり手間がかかりません。
登録さえ済ませてしまえば、注文から配送まですべてのサービスを利用できるようになります。
一からシステムを作ったりせずにデリバリーの仕組みを店舗に導入できるため、気軽にデリバリーを開始できる方法になります。
さらに、有名なデリバリーサービスは多くのユーザーが利用しているので、お客さんの集客に貢献してくれるという側面もあります。
これから開業する店舗が安定した売上を確保できるかどうかは集客次第ですが、デリバリーサービスが集客の柱になる可能性も秘めています。
他社が提供しているサービスを利用するため、ルールを遵守する必要がありますが、これから飲食店を開業する方にとっては非常に魅力的な方法になるでしょう。
フードデリバリーサービスを活用する方法は非常に簡単で魅力的ですが、手数料が発生するというデメリットがあります。
最大手のサービスであるUber Eatsの手数料は商品代金の35%となっています。
ほとんどの飲食店はフードデリバリーサービスの手数料を上乗せした価格を設定しているようですが、通常の料金に35%もの手数料を上乗せするとなると結構な価格になるため、検討する必要があるでしょう。
ただ、フードデリバリーは配達員が不要なため、
- 人件費
- 車両代
- 車両の維持費
などの経費が必要ありません。
手数料とデリバリーにかかる経費を天秤にかけたうえでより最適だと思われる方法を選択するべきでしょう。
自前でシステムを用意する
フードデリバリーサービスの割高な手数料を避けたい飲食店におすすめな方法は、自前でシステムを用意するという方法です。
インターネット上にサービスサイトを設けたり、専用アプリを用意することで、フードデリバリーサービスを介さずにお客さんから注文を受けられるようになります。
自前でシステムを用意するのは決して簡単ではないため、専門家に制作を依頼することになりますが、手数料の支払いを回避できるのは非常に魅力的です。
また、自前のシステムであるため、フードデリバリーサービス側のルールに縛られることもありません。
長い目で見た場合、コストパフォーマンスが高くなる可能性を秘めています。
電話で注文を受ける
デリバリー専門飲食店が活用できる商品の販売方法には、「電話で注文を受ける」という昔ながらのアナログな方法もあります。
お客さんからの注文を電話で受け付け、指定された商品を指定された住所に配達するという方法です。
この方法であればフードデリバリーサービスに依存することもありませんし、自前のシステムも必要ありません。
オンラインサービスの利用に不慣れな年配の方の利用も見込めるというメリットもあります。
しかし、アナログな方法ならではのデメリットも多いため、あまりおすすめできる方法ではありません。
お客さんの中には電話をかけることを嫌う方や手間に感じる方もいるため、機会損失につながるという懸念点もあります。
電話で注文する方法しか用意されていないことで注文を諦めてしまうお客さんも出てくるでしょう。
また、電話でやりとりする場合、名前や住所、注文内容の聞き取りミスが発生する可能性もあります。
注文方法の一つとして電話注文を用意しておくのはユーザーの利便性を高める方法としておすすめですが、「電話注文のみ」というスタイルはおすすめできません。
フードデリバリーサービスや自前のシステムのいずれかを取り入れつつ、補助的な方法として電話注文も取り入れると良いでしょう。
まとめ
デリバリー専門の飲食店を開業する際の流れや商品の販売方法について紹介してきました。
今回紹介したとおり、デリバリー専門の飲食店への需要はこれまでにないほど高まっています。
コロナがおさまった後のことを心配してデリバリー専門店の開業を躊躇してしまっている方も少なくありませんが、今やデリバリーは定着しつつあるため心配する必要はありません。
むしろ躊躇してチャンスを逃してしまうともったいないため、今回の内容を参考にしながらデリバリー専門飲食店の開業を前向きに検討してみてはいかがでしょうか?